FC2ブログ


 知念ウシという古風な名前をもつ論調過激な女性論客が沖縄にいる、ということは知っていましたが、その主義主張にじっくりと触れたことがなかったので、この本が出たことを知った段階でただちに購入しました。

 2002年から09年まで沖縄タイムスに掲載された文章を中心に、むぬかちゃー(物書き、ライター)・ウシの思索と行動の軌跡をたどったエッセー集です。

 「普天間基地移設問題」の奥深くに潜む根源的な問題点は“日本人の植民地主義”であるといい、その核心部にメスを加え、鋭い舌鋒で実態を暴いていくその裡には、琉球女(ウチナーイナグ)が受け継いできたふるさとへの深い愛を感じ取ることができる――というつくりになっています。

 まぁ、過激ですね、読んでいて。
 ものごとを賛成か反対か、多数派か少数派かといったような二元対立の構図に置き換えて論評しているところが多くあり、ある意味わかりやすいのですが、正直言って、そうではないのになぁ、個人やグループ、地縁組織、国家などの各段階ではそれぞれ内面に抱えるアンビバレンスというものがあるのになぁ、と思いながら読んでいました。

 たとえば、著者とその友人たちで組織する勉強会で、どうして沖縄にばかり基地が多いのですか、もしよかったらあなたの住んでいるところで基地をもらってくれませんか、などと大和の人々に問いかける場面が出てきます。
 一種の精神論として、そういうことを問いかければ本土の人間も自らの植民地主義に気付いてくれるだろうというものの例えとして言っているのでしょうが、基地は単なるモノじゃあないのだから、この例え話は失敗だと思います。この例えにはアメリカの意思はまったく考慮されていませんから。

 戦闘的な論陣を張ることには抵抗はありませんが、そのなかに屈折した女性の依怙地さのようなものが嗅ぎとれてしまい、やや興醒めなところがありました。
 人間は一つの面だけで生きているのではなく、別の面、隠し面、とっておきの面などさまざまあるはず。強さと弱さは紙一重なのではないでしょうか。
 できればそういう全人格でもって世相をぶった切ってもらいたいものだと思ってしまいました。

 全5章。「沖縄を見つめる」、「植民地・沖縄を考える」、「精神の植民地化を脱するには」、「植民地主義に協力しないために」、「オキナワン・イエロー、意味は希望」。
 う~む・・・。ヤマトって、沖縄に対してそんなに植民地主義的なのだろうか。自覚が足りないのかなぁ。
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://kakateyapo.blog68.fc2.com/tb.php/988-0e792bcb