琉球フェスティバル東京公演の翌日、銀座のわしたショップに寄り、ネーネーズの新譜「彩(Sai)」などとともに購入した、ウチナー・ファンタジスタ池上永一の破格エッセー集。

 台湾で財をなしたものの戦後のどさくさで一敗地にまみれた経歴をもつ不思議な母親のもと、石垣島で暮らしていた子供時代。その頃のことを題材にした逸話の数々はなかなかおもしろく、こういう過去があるからこそ今のハチャメチャな作風のファンタジックノベルがあるのだなぁと、彼の作品群のルーツを垣間見た感じがします。

 小品のあちこちにオキナワやヤイマが顔をのぞかせており、沖縄好きならきっとたまらないはず。

 彼の住む東京の街の駅前にある小奇麗で素敵なラーメン屋さんのことを描いた「愛しの愛人ラーメン」はなかなかファンキー。
 これ、1995年に彼が初めて原稿料をもらって書いたエッセーなのだそうですが、巻末はその12年後のことを書いた「その後の愛人ラーメン」で締めくくられています。

 彼のこれまで歩んできた人生は? そして、この12年の作家人生はいかなるものだったのか?
 そんなことを思いながら、ついつい睡眠時間を減らして読みふけってしまいました。飛び過ぎている傾向のある小説よりも読みやすかったりして。(笑)

 池上永一といえば、最近、新作「テンペスト」を発表したばかり。上下巻にわかれたボリュームたっぷりのもののようです。すでに購入手配済みですが、おれ、疲れを感じずに読めるだろうか?
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