バスは上之屋から泊高橋を経由して国際通りへと向かう、いわゆる「牧志経由」だった。
 やるべきこともない。それでは、あやぐ食堂で遅い朝食をとったばかりでまだ満腹感は残っているけれども、またメシを食べてしまおうか。
 ということで、民俗芸能歳時記を観終わってからの夕刻に行こうと思っていた泊の「ボロジノ食堂」に行くために、崇元寺バス停で下車する。

 店名からもわかるように、主人が大東島出身で、那覇で大東寿司が食べられる数少ない店のひとつである。それは前から知っていたのだが、最近この食堂では500円で大盛りの天丼が食べられるということを聞いたのだ。しかもそれが、そこいらの天丼チェーン店のそれよりも美味いのだという。ならば、行って食べてみようではないかと考えていたのだ。

 崇元寺通りをバス停から信号ひとつ分、泊高橋方面に戻り、地図を頼りに右側の山手のほうに路地を入って行くと、しめしめ、店を発見。
 さっそく入る。立ち食いそば屋風の、カウンター席中心の小さな店だ。沖縄各地の食堂で鍛えられてしまったおれは、どんなに入りづらそうな入口でも臆することなく入っていけるようになってしまったのだなあと苦笑い。



 待つこと数分で運ばれてきた天丼大盛りは、残念ながら550円に値上げこそされていたが、中身は極めて充実。ほっかほかのご飯に各種天ぷらが山と載せられ、甘めの丼つゆが多めにかけられている。その天ぷらはというと、分厚い衣が特徴の沖縄風のそれではなく、ヤマト風のカリッとしたもの。主人が内地で10年ほど修行をしていたというだけある。
 ああ、美味い! うまいのでハフハフしながら豪快にかっ込む。シアワセである。
 ボリュームは満点。こんなに立て続けに大量メシを食べていいのかと思いつつも、ペロリと平らげてしまった。まあ、大失敗のあとのヤケ食いということもありますな・・・。
 確かにこれで550円なら納得。油っこい食事がしたくなったときにはまた寄ってみようと思う。

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 いやはや、腹が重い。いい年なんだから、いつまでもこういうことを続けていてはいけないね、と少し(だけだけれど)反省。

 さて、まだ雨が降っているので、大通りまで戻らず、一山越える形でショートカットしておもろまちへと戻ろう。

 南側から丘を登りつめて「黄金森公園」に出ると、風がやたらと強くなってきて、NHK放送会館前に来た頃には傘がおちょこになるほどの強風に。ぐへぇ、勘弁してくれ・・・。
 このあたりはちょっとした高台になっていて、どうやら風の通り道になっているらしい。ああもう、まったく今日はダメな一日だ。
 とうとう傘をさすのをあきらめ、全身ずぶ濡れになってホテルへ。時間はまだ3時過ぎだけど、幸いにして連泊にしていたので、部屋には入れた。

 今晩は本当なら再び外に出て、勢理客にあるライブハウス「GROOVE」へと赴いて伊波緑のうたとピアノを聴いてこようと考えていたのだが、夜になっても強風は一向に収まる気配がないので、とりやめに。
 冴えない・・・。
 明日こそいい一日になりますようにと祈りながら、部屋でビールを多めに飲んで、失意のうちに眠りに落ちたのでした。
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