コシマキには、
「沖縄、その、ありし日の穏やかな風景、うしなわれた魂、そして未来にあるべき島の姿、語りつぐべきすべてがここにある。《沖縄学》の第一人者が《平和》を祈念して綴る、回想録を超えた一大ライフストーリー」――と、いささか大げさなコピーが書き込まれています。

 これは大満足な1冊でした。外間氏の研究成果はある程度読んでいますが、それらの背景となった心象風景をよく理解することができたので。

 第1部は、生い立ち、戦時下の青春、従軍時代から戦後に沖縄を離れるまで、
 第2部は、東京で沖縄学に出会い、琉球大学で教鞭をとっていた頃のこと、
 第3部は、その後の沖縄学隆盛への尽力時代から現在まで――。

 外間氏の回想モノについては、当書を読む前の段階で「沖縄学への道」(岩波現代文庫)と「私の沖縄戦記 前田高地・六十年目の証言」(角川書店刊)の2冊を読んでいますが、当書はその両方の内容も包含したものとなっています。
 ・・・こっちを先に読んで、より詳細を知るためにこの2冊を読む、という順番が正しかったかも知れません。

 3書の内容に矛盾はなく、著者の一貫したライフスタイルを確認するのとあわせて、過去に対する驚異的な記憶力にはほとほと感心。まあそれだけ充実した日々だったのでしょう。
 数々のエピソードはそれだけでも面白いのに、それらは若い沖縄の時代を築いてきたたくさんの著名人とつながっており、著者はこういう人たちと同級生だったり知り合いだったりしたのかと驚きました。

 また、著者は沖縄学の先輩たちと若き研究者との繋ぎ役としての役割を自負しており、彼が積み重ねてきた交友は、沖縄学の系譜そのものを知るにも重要です。
 そういう意味からも、年始早々いい本にめぐり会えたヨロコビに一人ほくそ笑んでいます。

 2002年の末、脳梗塞に見舞われて多少言葉に不自由するようになったそうですが、それにも負けずに講演の依頼に応じたり、沖縄学研究所を主宰したりと、今もお元気で活躍しているようです。

hokama.jpg 外間守善氏
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