講談社の漫画雑誌「モーニング」に掲載された3編に書下ろし1編を加えたマンガ・コミックを買ってみました。
 「風葬」、「ジュリ馬」、「方言札」、「仁政叔父さん」。
 島の祭祀を取り仕切るノロの孫として生まれたカマルという女の子が主人公。
 出征兵士の遺骨が戻ってくるシーンや、辻遊郭でのジュリ馬が行われていた時代のことが描かれているので、まだ沖縄が鉄の暴風にさらされていない戦中の頃のことのよう。
 沖縄における洗骨の行事の際の様子、特高警察が目を光らせている島内の状況、南米へと船で移住する際のつらい別れの様子、そんな理不尽な世相の中で生きる純粋無垢な少女達の様子などが絵を通してしみじみと伝わってきます。
 筆者の描く海上の雲などは、時代が移ろってもまったく変わらない、まさに沖縄の雲。しかし当時、その下では人々がこんなふうにして生きていたのだということが、絵なのでよ〜くわかります。
 それらはたとえば、当時の人々の服装であったり、辻遊郭の独特のしきたりであったり、子の行水を手伝う母の姿であったり、若い男女の出会い方であったり・・・。
 絵画自体は、特別にうまいとか精緻だとかいうものではないのですが、私の場合、読み進めていくうちに不思議な「美」の世界に引きずり込まれていくような印象を受けました。
 そう感じた不可解な理由を敢えて表現すれば、沖縄特有の神々に対する畏怖、尊厳ということになるでしょうか。
 ユタの血を引く純真なカマルの目が、とても深いのです。その瞳の奥に潜む神秘性のようなものを理解しようと、主人公の表情や仕草を小説を読むように注意深く観察しながら読ませてもらいました。
 噴き出しに書かれるウチナーグチも、たいへんに心地よいです。
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