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 9月28日の「琉球フェスティバル2014」の東京開催を見に行った時の旅のお供として連れて行った本。
 作家・五木寛之が、自分の中に眠っていた歴史を呼び覚ましながら書いたもので、「隠された日本 博多・沖縄」との副題がついています。

 第1部には、自らがかつて朝鮮半島から引き揚げてきた博多の地で見た「不法妊娠」の秘話や、アジア主義の源流「玄洋社」を生んだ博多・福岡の文化・風土などについて書かれています。

 そして第2部は沖縄。戦争で多くの県民が犠牲になったこの地で「日本の源郷」を見出し、沖縄の未来を展望します。
 内容は、「岡本太郎が衝撃を受けた沖縄の美」、「御嶽は見えない世界と交信する場所」(斎場御嶽)、「ここは「情」の宝庫だ」、「掃除のできない人は住めない島」(竹富島)、「木に溺れるようにして描く版画家」(名嘉睦稔)、「台風と戦うか折り合いをつけるか」、「琉歌のリズムは8・8・8・6の30文字」、「沖縄アクターズスクールで出会った瞳の輝き」など。

 文章の中には、近年一緒に「論楽会」というステージをやっているという古謝美佐子や、琉球大学教授の高良倉吉(彼は仲井真県政の副知事をしていたけど、このたびの政権交代でどうなるのだろう?)、竹富島の貴宝院蒐集館の上勢頭芳徳・同子夫婦、八重山の唄者安里勇などが登場します。
 また、伊波普猷の沖縄学や、喜納昌吉が歌う「花」、沖縄音楽の「二見情話」、竹富島の種子取祭などに関する論評もあって、とても興味深く読むことができました。
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