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 1998年冬から沖縄県知事を2期8年務めた稲嶺惠一の重厚な回顧録。
 8年間、知事職だけに集中し、それ以外のことは趣味から何から一切絶ち、日程のキャンセルは一度もなかったと、全力疾走した日々を振り返っています。

 全464ページ。厚いなぁというのが第一印象でしたが、字も小さくなく、気負いのない平易な文章だったので、苦もなく読むことができました。
 稲嶺家については、父・一郎氏の業績について若干の下知識がありましたが、それ以外はすべてが新鮮で、惠一氏が慶応大学を卒業後にいすゞ自動車に就職し、その時代に伴侶を得たことなどについてなかなか楽しく読ませてもらいました。
 惠一氏については、若いうちから「りゅうせき」の要職に就けたのも父の七光りなのだろうぐらいに考えていましたが、それもあるでしょうが、飾り気のないなかなかの人物であったがためということも、文章の端々から読み取ることができました。

 全8章。「生い立ちから慶大卒業まで」、「いすゞ自動車時代」、「琉石入り、経済界の内と外で」、「政治の世界へ」、「沖縄サミット」、「知事一期目をひた走る」、「苦悩する沖縄の先頭で」、「沖縄の明日を託して」。
 知事になってからの各章については、その当時の活躍を垣間見ているだけに、あの時はそうだったのか、そういうことを考えていたのか、大変な精神状態だったのだな、など、素直な感想が得られると同時に、県執行部内の人間模様や、政府、外交筋の要職との間にあったさまざまなエピソードを知ることができて、非常に興味深く読むことができました。

 なお、今から琉球新報社にお願いしておきたいと思いますが、仲井真弘多知事が現職を退いた後にも同様の出版物を刊行していただきたいと思いますので、ヨロシク。
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