○パーシャクラブ
 さて、残すところあと2グループ。ということは、次は・・・。
 おや、合間のMCに、ついにゴリが出てこなくなりました。川田とともに出てきたのは、髪もじゃの小さな女性。
 彼女はディアマンテスでパーカッションを担当していたChicoというヒトで(前出画像の右端の女性)、「ゴリで~す」と。(笑) ゴリの代役として急遽駆り出されたようです。
 まあ、素人なわけで、しゃべっていても聞き役に回るだけで、どうかなぁと思っていたところ、ふらふらとゴリが登場。ステージで9:1の泡盛を飲まされ、楽屋では誠グヮーからウイスキーを飲まされということで、さすがに辛そうです。
 同じ話をステージで2度してしまうのには大笑いしましたが、これはもはや芸ではなく、単なるヨッパライそのものでやんの。(笑)

 そんなこんなでパーシャクラブのテーマソングが流れ出し、いよいよいつもの官能の世界へと突き進むのかとゾクゾクしながら見ていると・・・あれ、バックはそろったものの、幸人がいないじゃないか。
 なんかの手違いが起きたのか? それとも、幸人はすでに泥酔してステージに出て来れないのかも。
 「・・・」みたいな不思議な“???”の間があって、出てきたのは、赤シャツ黒パンツにサングラスの幸人、ではなく、なんとボブヘアにネコ耳、尻尾のついたフリフリのショートパンツに灰色ブチのブーツ、上はもろ肌露出の女性下着風のスタイルの性別不明人間! いったい誰よ、この人・・・誰???
 一瞬状況理解が不能に。でもソイツがマイクの前に立ってうたい始めるや、人々はコイツが幸人であることを瞬時に理解し、場内は騒然となりました。

 一発目はおなじみ「五穀豊穣」。サイケデリックな異様な盛り上がりの中で、観客からの“イーヤーサーサー!!”のフェーシはいつもよりも数段上の大音響。なんだかすげぇな、この雰囲気。
 1曲終わって幸人は、大歓声の中、琉フェスファンの皆さんゴメンナサイ、これがホントのパーシャクラブなんです、的な発言をして笑わせます。この日は幸人の親が観に来ているのだそうで、その境遇でここまでやるかという感じですかね。(笑)

 続いては、まさに化け猫衣装(!)にぴったりの「与那国の猫小」を。合間にうみゃ~~~ん!!と発情猫のような鳴き声をいれたり、ステージにしなだれて媚態をつくったりと、幸人は大忙し。

 ここでよなは徹と與儀朋恵を招き入れて、「七月節」を。
 ♪ テーク固みてぃ 西東 イービフィーフィー 吹ち鳴らち ・・・
 この一体感! このあたりが最高潮でしたでしょうか。パーシャのステージが始まってから聴衆はずっとスタンディング状態でしたが、エイサーのグルーヴ感が加わってすっかり陶酔。いっしょになって大声でうたっていたので詳しい状況は不明ですが、日比谷野音は狂乱、極限状態に達したと言っていいでしょう。

 その後「東バンタ」と「じんじん」。スカっぽい「じんじん」の前奏なんて、こういう場面にはサイコーだと思います。


(画像は某ページからの拝借です。許せ。)
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○登川誠仁

 あっきさみよ。ああ、盛り上がった。満足した。
 あ、もう一組?
 次はトリですな、登川誠仁。弟子の仲宗根創を従えてのステージです。太鼓はよなは徹。

 誠グヮーのステージは、全体的に言って、ミュージック・パフォーマンスというよりも、どちらかというとコメディでしたかね。音楽が始まる前のガレッジセールの二人との掛け合いのほうが中心だったような印象。
 掛け合いの後は一人ウチナーグチで何か話していましたが、観客の反応が薄かったことから察すると、その内容はうまく伝わっていなかったのではないでしょうか?



 で、うたのほうは、仲宗根が誠グヮーのインプロビゼーショナルな演奏とうたに一所懸命に合わせていくという成り立ちのようで、当然と言えば当然ですが、かつて美ら弾きと崇められた超高速の早弾きはまったくなく、スローテンポの曲ばかり。
 そしてまた、あの誠グヮー独特のこねくり回すような節回しは健在なものだから、音程が聴き取りづらく、なんだかだんだん退屈になってくるのです。
 あ、ほらほら、泡盛を飲んでいた前のお客さん、眠ってないで起きなさいよ、御大の登川誠仁ですよ。だから言わんこっちゃない。

 でもって、パーシャの後とあっては、観客たちはやや退屈に。
 退屈が昂じて、左隣のオヤジが二人、酔っぱらった勢いで大声で放談を開始。お前ら、うるさいって。みんなあなたたちを白い目で見ていることに気づいてないだろ、もう。でも気の小さい自分は注意もできず。

 演奏曲は、「ナークニー」に始まって、次もナークニー系のナントカナークニー(聴いたことのないもの、曲名聞き取れず)を何だったかのチラシ付きで。あぁ、酔客たちが騒々しい。集中力が切れそう。

 そして3曲目はこれまたスローテンポの「トゥバラーマ」ときた。これまた退屈だねぇ。

 その後は大城美佐子と堀内加奈子を呼んで、4人で夫婦の掛け合いのようなうたをうたい、最後は「ヤッチャー小」で締めました。「ヤッチャー小」のチラシも4人がバラバラで、なんだかさえなかったぞ。
○フィナーレ
 自分はよく知らないのだが、ガレッジセールが「第二の具志堅用高」と評価する、サーターアンダギーというユニットの山田親太朗と、同じユニットの森公平クンという人がステージに乱入。
 なんだかよくわからないうちにフィナーレへと突入です。

 参加者全員がステージに出てきて・・・ということなのだけれど、その足取りは遅く、皆さんがなかなか出てこないというのも、琉フェスらしいかも。
 その理由は、小雨がそぼ降っているからではなく、いみじくもゴリが言っていたように、参加者の多くが酒を飲んでいるからなのではないだろうか。(笑)

 ようやく出てきた誠グヮーにゴリが話しかけますが、うまく会話が成立せず、センセイはマイクに向かって「したたか、ニフェーデービル!」の一言。すっとぼけているよなぁ。
 その誠グヮー、さあ、みんなでうたいましょう!の掛け声に、おもむろに赤い鉢巻を額に巻き付けて張り切ります。



 はじめは「白保節」から。おぉ、選曲からして今や琉フェスは完全に八重山軍団に制圧されたかのようです。赤シャツ黒パンに着替えた新良幸人と大島保克がうたいます。
 ♪ ゆらてぃく ゆらてぃく 踊てぃ遊ば ・・・

 次は本島、モーアシビソングの「アッチャメー小」です。よなはがノリノリでうたい始め、誠グヮーが前に出てきて踊り出します。くくくっ。この曲は誠グヮー美ら弾きの十八番で、若い当時の誠グヮーだったら、本人が誰にもマイクを渡さずに独演したことでしょう。

 最後となる3曲目はやはりこれ、「唐船ドーイ」。よなはと仲宗根創がリードしていました。
 ♪ イヤッ サー サー サー サー ・・・ の合いの手はもう会場全体が反応。自分も含めて周辺の人々ももう我慢していなかったでしょう。
 はぁ、すごいすごい。

 足元のおぼつかないゴリが手短に「おわりです!!」と宣言。
 すると幸人がステージ縁まで歩み出て、ちっこいクラッカーを会場に向けて2発、パーンと発射。観衆からは、あははは・・・としょぼい笑い声が上がります。
 この間、酔った川田は自分の職務を忘れたのか、すっかり観客化して袖のほうで一緒に笑っている始末。自分としてはこっちのほうが笑えたり。

 終わりと言われたって簡単に納得するような聴衆ではありません。「もっとやれ!!」などと凶暴な声であちこちからアピールがあります。
 どうやらアンコールのことを誰も真面目に考えていなかった様子で、じゃあどうする??みたいに酔いながらうろたえるゴリが愛しい。

 何をするか決めるためのわずかのインターバルがあって、これでいこう!と始めたのは「安里屋ユンタ」でした。正調から観光民謡調までの歌詞によって、大島~幸人~仲宗根とリレーして最後は全員でマイクを回してうたい終え、19時35分、終了と相なったのでした。

 ハコモノでやるのとちがって幕が下りないので、この“終わり方”というのがなかなか難しいのかもしれません。この点、玉城満なんかは上手だったよなあと、過去の琉フェスを思い出しました。
○おわりに

 ふう。
 今回の琉フェス、振り返ってみると、一時代前のそれとはずいぶん様変わりしました。登川誠仁や大城美佐子ががんばっているとは言っても、彼、彼女のステージは弟子の伴奏なくしては成り立ちません。
 その一方でこのところ大活躍しているのがよなは徹や新良幸人でしょう。

 よなはの場合、自分の持ち分だけでなく他の出演者を多くサポートしており、今回を含む最近の傾向として、彼がいなければステージング自体成立するのだろうかと考えさせられる主演者がいたりする場面が散見されます。
 また、幸人は、観客のみならず楽屋でも出演者たちをリードしている様子がうかがえ、出演者の精神的支柱としての役割をも担っているのかもしれません。

 そして、1995年からスタートした第2次琉フェス時代の初期の立役者たちの多くは、今回の琉フェスには参加していません。それらは、彼岸へと行ってしまった嘉手苅林昌、照屋林助、喜納昌永らであり、年老いてしまった山里勇吉、国吉源次、宮良康正、山里ゆきらであり、唄者活動を引退した知名定男であり、活動が全国区ではなくなったりんけんバンド、チャンプルーズ、ネーネーズなどであり、ほかにも大工哲弘などがいます。
 いつまでもあの時代をなつかしがっていてはいけないことはわかっているつもりですが、なにか一抹の寂しさのようなものが感じられてならないのです。

 それから、今回特に残念だったのは、奄美のウタシャの参加がなかったことが挙げられます。
 毎回、琉フェスが琉球弧としてのうたのお祭りであることを証明し、華を添えてくれた奄美からの参加者がいないことは、言うなればこのイベントの存在意義の主軸のひとつがない、片肺飛行のようなものなのではないでしょうか。
 主催する側の事情もあるのでしょうが、そういうことにも意を用いてほしいものだと、1ファンは思うのです。

 ともあれ、このイベントが、幾多の困難を乗り越えて、再開以来毎年、18回の長きにわたって開催されていることには、ただただ感服、感謝するところであり、形はどうあれ、今後も末永く続けていってほしいと願うものです。



(おわり)
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 6月後半から7月に買った沖縄本は、次の11冊です。

1 沖縄暮らしの家族ごはん    伊藤麻由子         双葉文庫            630
2 古代の琉球弧と東アジア    山里純一          吉川弘文館         1785
3 ありんくりん沖縄公式ブック   BS日テレ          TOKIMEKIパブリッシング 1470
4 名瀬のまちいまむかし      弓削政己 他        南方新社           2100
5 琉球王朝のすべて        上里隆史・喜納大作    河出書房新社        1470
6 沖縄とヤマト 「縁の糸」をつなぎ直すために  小森陽一編著  かもがわ出版     1890
7 絶海の孤島            カベルナリア吉田   イカロス出版           1680
8 沖縄現代史家新崎盛暉が説く構造的沖縄差別   新崎盛暉  高文研         1365
9 さすらいの沖縄伝承男      カベルナリア吉田     林檎プロモーション     1470
10 随筆・巷ばなし うちなぁ筆先三昧   上原直彦     ボーダーインク        1680
11 神々の食             池澤夏樹          文春文庫            700

 こんなに買って大丈夫なのかな・・・。
 食べ物系が1、11。歴史・民俗系が2、5。雑学系が3、9。奄美系が4。政治・基地系が6、8。旅系が7。エッセー系が10。
 ・・・といったところでしょうか。今回はなかなかバランスがとれているな。
 でもまあ、もっとくだけていて、読んで楽になれるようなものがもう少し欲しいところかな。

 ストックが豊富になったので、一安心。
 実は、これらのほかに古書もいくつか買っているのだ、くふふ。