今年の琉フェス大阪は11月7日! ・・・って、ずいぶん遅いんだね。
 今年はやらないのかと思いましたよ。心配させられちゃったな。

 大工哲弘のブログによれば、今年の琉フェスの東京開催は決まったのに、大阪はどうなっているのか?!という熱狂的な大阪の沖縄音楽ファンからの問い合わせがFM OSAKAに相次いだそうです。

 どうも、去年まで主催していたHIP大阪が、今年は降りたのかな??
 やっぱりなぁ・・・。なんか危うい雰囲気は一昨年あたりから漂っていたものなぁ。
 でも、「沖縄音楽の灯を途絶してはいけない!」とFM大阪や他の協力団体が立ち上がり、今年もなんとか大阪開催が実現した模様です。
 ひとまずは、ヨカッタ。

 さらに調べてみると、「箆柄日記」によれば、
「FM OSAKAと一緒に主催していたHIP大阪が無くなってしまい、開催が危ぶまれていたのだが、FM OSAKA琉フェス担当の門上さんとHIP大阪で琉フェスを担当してきた森本さんが踏ん張って、なんとか開催にこぎ着けたそうだ。」とのことです。
 そうか。なくなったのか、HIP大阪は。

 で、今のところわかっていることは、

 開催日時 11月7日(日) 開場14:00、開演15:00
 会場   大阪城音楽堂(去年と同様)
 出演者  りんけんバンド、知名定男、大工哲弘、新良幸人withサンデー、琉響伝 、
      津波信一(MC) 他、出演交渉中
 料金   指定席6,000円 芝生席5,500円

とのこと。
 主催はFM OSAKA、制作・協力はページ・ワン だそうです。
 う~む、それにしても、HIP大阪の名前がないのは淋しい・・・。


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 8月12~16日、4泊5日で沖縄本島に行ってきました。5月以来今年3回目、通算41回目の琉球弧訪問です。

 今回の目玉は、国立劇場おきなわで「沖縄本島民俗芸能歳時記」という昼夜2回の公演を続けて2つ観ることでした。
 いやはや、充実。その演目はというと、

【昼の部】 第一部 1 獅子舞・ティンベー 【うるま市田場】
            2 長者の大主 【読谷村波平】
            3 久志の女踊(いなぐうどい)【名護市久志】
            4 四ッ竹 【名護市幸喜】
       第二部 5 人形踊(みんじよーうどい)【名護市久志】
            6 波平棒 【読谷村波平】
            7 柳 【名護市幸喜】
            8 南洋浜千鳥 【名護市久志】
            9 馬舞(んまめー)【読谷村高志保】
【夜の部】 第一部 1 獅子舞 【八重瀬町玻名城】
            2 かせかけ 【西原町棚原】
            3 槍ヌ手(やいぬてぃ)・ティンベー 【南城市志堅原】
            4 赤木名節(あかきなぶし)【北中城村島袋】
            5 熱田のフェーヌシマー 【北中城村熱田】
       第二部 6 舞方棒(めーかたぼう)【南風原町津嘉山】
            7 醜童(しゆんどう)【南城市志堅原】
            8 狂言 玉城ペーチン 【西原町棚原】
            9 打花鼓(たーふぁーくー)【中城村伊集】

 北中城村の熱田のフェーヌシマーと中城村の伊集の打花鼓、それに読谷村高志保の馬舞は、どうしても一度観てみたかったもの。
 今回ようやく観ることができたので、これらについてはいずれじっくりと研究してみたいと思っています。やっぱり、まずは見てみないことにはね。

 それから、出発する間際になって、うるま市石川会館で現代版組踊『肝高の阿麻和利』の公演があることをキャッチ。すぐさまあまわり浪漫の会の事務局に電話してチケットを入手しました。
 これには心から感動! 地元中学生、高校生の躍動する姿や一丸となってステージを創り出そうとする意欲は感涙モノです。
 不覚にも、はじめのほうの「それって・・・肝高の阿麻和利っ?!!」という場面で、もう涙が出てしまった。(笑)

 恒例のライブハウス島唄詣で。
 いつものように後ろのほうで泡盛を呑みつつ一人静かに観ていると、幕間にネーネーズのメンバー4人全員が「お久しぶりです」と話しをしに来てくれて、先頃のハワイ公演や、近々CDをリリースする話などで付き合ってくれました。

 日中はレンタカーであちこちドライブ。
 島尻方面では島添大里城址公園、小谷集落の石畳、知念のテダ御川、知名ウッカー、知念岬公園、知念ウッカー、カンチャ大川、そして玉城の浜川御嶽とヤハラヅカサなどを、また、今帰仁では、懸案の(笑)伊野波の石くびりと、仲原馬場、源為朝上陸の碑などを踏査してきました。

 少し余裕が出た時間は、北谷のサンセットビーチや豊見城の豊崎海浜公園(ココ、すごい!)、この時期にもかかわらず人のほとんどいない百名ビーチなどでゆったり休憩。

 メシ関係は、糸満喜屋武の「三姉妹」の煮付け、名護の「我部祖河食堂」のソーキそば、金武の「チューリップ」の釜飯と味噌汁セット、那覇曙の「あじゃず」の肉野菜そば、宜野湾の「みどり屋食堂」のちゃんぽんなどを堪能。今回は意識的にこれまで行ったことのない店をいくつかつぶしてみました。

 ほかに、何年ぶりかでコザのデイゴホテルに投宿し、あの独特のまったり感を味わいました。

 もう、沖縄、最高!!
 そのうち旅の思い出をいくつか、このブログにも書ければいいなと思います。



 南国の気候がそう思わせるのか、人の暮らしがそう感じさせるのか、時計の針が時を刻む音とは違う、ゆったりとした空気感をただよわせる「沖縄時間」。
 自分はこの空気感に浸りたいがために、わざわざ何回も沖縄を訪れているのかもしれません。

 前夜、遅くまで島唄酒場で呑み、ホテルの一室のカーテンを開けたとたんに差し込む朝の強い日差し。
 ぼさぼさの頭を気にしながら朝の那覇へと歩みだせば、すでにその時間から感じられるもわりとした湿気たっぷりの熱風が体を流れ、じりじりと太陽が肌を焼く。
 ガジュマルの日陰に逃げ込めば、そこは日差しの中の塹壕のようで、数メートル先を歩く人々すらわが身の存在に気づかない。
 視線を先へと流せば、東シナ海と慶良間諸島の遠景。手前には、大都会の那覇の街が広がっている。手前のそこは、思いのほか猥雑感がたっぷり、というのもまたよい。

 そんなひとときがゆっくりと流れていく「沖縄時間」。こういうの、いいなぁ・・・と思っていたら、たまたま出会ったこの本の中に、同じような想いで那覇暮らしをしているフリーライターを発見!
 那覇の街の風景や人々に向けるやさしい視線が文章の端々に感じられます。

 また、著者の沖縄のお友達、ダニエル・ロペス氏が撮影したたくさんの写真がすばらしい。
 あぁ、おれ、こういう写真を撮りたかったんだよな、というようなものばかりで、自分の沖縄に向ける関心や興味はこの写真家と共通しているのだなと確信。

 「お墓でピクニック、清明祭」、「糸満ハーレーが終わると夏が来る」、「音楽で街おこし、栄町市場」、「国際通りのトランジットモール」、「風が通り抜ける住宅」、「首里界隈の散歩道」、「マラソンシーズンの到来」など、四季ごとに区分された全41編。
 実際に那覇で生活して得た発見や心に留まったことなどをアトランダムに紹介した、というつくりの1冊でした。ペリグーです。


 拝所(うがんじゅ)巡りをする人に、また、沖縄史や宗教を知りたい若い人に関心を持って読んでもらえれば望外の喜びである――として、沖縄県の全市町村から御嶽・神屋・拝井・霊石・墓・寺社など約300を選んで、その由来を写真と所在地図とで構成した大書。

 大書といっても、分厚くて読みづらいというものではなく、よくこれだけリストアップしてきちっと整理したものだなというつくりだということ。各項目は簡素で、1項目当たり1ページ。体裁もハンディなものなので、とても重宝します。
 なので、コレをネタ本にすることによって、自分も多くの拝所を実際に訪れて、それらに多少なりとも近づくことができました。

 これらの拝所は戦前からのもので、いずれも伝統ある御願所であり、今でもよく拝まれているところなのだそう。
 地域別に整理されており、首里拝み、那覇の寺社巡り、那覇の拝所、南部の拝所、東御回り(あがりうまーい)、中部の拝所、浦添拝み、中城回り、北部の拝所、今帰仁回り、宮古の拝所、八重山の拝所として掲載されています。

 やはり拝所、御嶽なども、その背景、歴史などを知って見るのとそうでないのとでは大違い。その場に赴いて、過去の出来事や風景を想像しながら眺めれば、実に味わい深いものとなります。

 しめしめ、いい本を手に入れたものだ。この1冊さえあれば、これからもまだまだ未知のスポットを探求できそうだものな。


 沖縄が日本へと返還されてから4年余り経った1976年に刊行された、沖縄の戦後史を扱ったスタンダード本。いまや古典といってもいいであろう位置づけの書ではないでしょうか。
 それが版を重ねて2005年の12刷のものが、ようやく永い時空を超えてわが手元へと届いたわけで、なんだかそれだけで感無量だなぁ。

 終戦直後から日本に返還されるまでの27年間を大きく9つの時期に分け、沖縄戦後史の基本的な流れを、現地の政治史的な動向を中心にして具体的に明らかにすることによって、沖縄の戦後史と本土の戦後史を対照しながら、それらを統一的に把握する、という手法で記述されています。

 9つの時代区分とは、
1 日本軍の組織的抵抗が終わって、アメリカの軍事基地建設が本格化するまで
2 米議会が本格的な沖縄軍事基地建設予算を計上した時期から、対日平和条約の発効する時期まで
3 民主的大衆運動の弾圧と、軍用地の強制接収の強行により、沖縄の恒久基地化が進んだ時期
4 島ぐるみ闘争の爆発から終結までの時期
5 沖縄の受益者層を代表する沖縄自民党の躍進と、反対に、沖縄県祖国復帰協議会の結成をはじめとした次の闘争への礎石が築かれていった時期
6 琉球立法院が、アメリカの沖縄支配を国連憲法違反だと訴え、沖縄自民党が分裂していった時期
7 日本の佐藤内閣の介入によって、沖縄の政情不安が収拾された時期
8 公教二法阻止闘争から二・四ゼネストまでの時期
9 二・四ゼネストの回避によって、日本政府が日米安保体制の再編強化に向かって突き進んだ時期
――です。

 これだけを見ていても、短い間に人々たちのうねりによって歴史が大きく動いたのだなと感じることができますね。

 読んでいて感じたのは、政党や、各種の労働組合をはじめとした政治団体が、時期時期にどのような離合集散をしてどう活動していたのかが特によくわかるな、ということ。新書なので、ここまで詳しいとは思いませんでした。

 また、どうしても分量が限られてしまう新書の常として、膨大なテキストをかなりの率で圧縮する必要があるためかどうか、一文一文がとても重たく、結果として難解になっています。読んでいてやたらと眠くなってしまうのには閉口しました。(笑) コンセプトは自分にとって特に眠くなるようなものではないはずのになあ・・・。

 すでに沖縄でも、島ぐるみ闘争や軍票を使った記憶を持たない世代が社会に出始めており、まして本土では、沖縄問題は終わってしまったかの観がある現在、やはりこうした書物が1冊は必要なのではないでしょうか。


 ウチナーンチュには珍しく、若いうちから沖縄民謡にハマってしまい、民謡レコード収集の趣味が昂じていまや沖縄民謡の歴史の語り部となってしまった小浜司が、豊穣な島唄の世界を語ります。

 同好の誼というか、こういう本をこそたくさん読みたいと思っているおれ。2010年夏、沖縄本島への旅の最中に、その一言一句を心に刻むべく、大切に、大切に、読ませていただきました。
 結果、ヒジョーに楽しませていただきました。満足度、高いな~♪

 中身の文章は、インターネットの「ryuQ」や雑誌、新聞に掲載したものに加筆修正を加えたものがほとんど。
 小浜氏の記事についてはこれまで、「島唄カフェいゃーぐゎー」や「ryuQ」、著者のブログなどを頻繁にチェックしてきていたので、どれもどこかで読んだことがあるものでしたが、こうして紙媒体でまとめて読むと、また新たな思いが生まれたり、ぼんやりとしていた知識の脈絡が鮮明になったりして、自分にとってとてもよかったなと思えました。

 その充実の項目とは、まずは「A面」として、島唄レコードのコレクションから選りすぐりのものを紹介するコーナーがあります。
 クララ新川の「芭蕉布」、本竹祐助・津波洋子の「十九の春」、玉城安定・兼島米子の「夫婦船」、喜納昌永・山里ゆき子(ユキ)の「ちえーこーじゃー」、玉城一美・清美姉妹の「女童花染小」、金城洋子(金城実の娘)の「にーびちすがやー」、国吉源次の「正月のあやぐ」、饒辺愛子の「海洋博は招くよ」、でいご娘の「カンポーぬ喰ぇーぬくさー」、屋良ファミリーズの「ナナサンマル音頭」、仲宗根美樹の「名護小唄」、新垣さゆり(村吉茜の母)の「恋し里前」などなど・・・まさに百花繚乱! そそるなぁ!

 そしてB面。
 こちらは島唄の神様といわれた嘉手苅林昌について小伝風な体裁で詳述されており、実に興味深いものとなっています。
 「嘉手苅林昌のあしあと」、「にんげん・嘉手苅林昌」、「嘉手苅林昌がのこしたもの」。
 おれが島唄に目覚めたのも、この御大の渋~い声とジュークボックスのような大量のレパートリーに心酔したためであり、死して11年を経過した今でも“おとう”に注ぐ愛着は増しこそすれ衰えてはいません。だから、くりかえしになりますが、大切に、大切に、読ませていただきました。

 自分にとって、とても大事な本のひとつとなりました。


 このたび沖縄本島に行った際に、久茂地リウボウでDVD「嘉手苅林昌追善公演 白雲ぬ如に…」(2枚組、テイチクエンタテインメント 4,800円(税込み))を購入しました。
 島唄の神様、風狂の唄者といわれた嘉手苅林昌が逝去して10年が経ち、その追善公演として2009年11月20日にコザのミュージックタウン音市場で行われたものを収録したものです。

 今日はその1枚目をじっくりと鑑賞。日曜日の日中、エアコンもない暑い部屋での鑑賞でしたが、久々に集中できたというか、暑さを忘れて見入ってしまいました。

 まずは、おとうの次男の嘉手苅林次の「下千鳥(さぎちじゅやー)」でスタート。くぐもった声の感じがおとうとよく似ていて、さながらおとうがあの世から歌いかけているかのような印象。鳥肌、鳥肌・・・。

 続いて知名定男が登場し、おとうがよくうたっていた「恨みの嵐」と「ジッソー節」を披露。三線の弾きに切れがあり、さすが!

 饒辺愛子はいつもの服装とウチナーグチ。嘉手苅林次と松田弘一の三線コンビをしたがえて、おとうから教わった「銃後の妻」と「意見あやぐ」を。
 そしてそのまま松田弘一が残って「ジビター小~二揚アッチャメー小」と「流り船」を。三線の美ら弾きが見事! かつて北谷の謝苅入口付近にはトンネルがあって、それを戦後アメリカーが重機で破壊したが、北谷でモーアシビが盛んだったのは、雨の日でもこのトンネル内で集まれたからだ、という話も披露していました。

 大城美佐子は「仲島節」と「ヒンスー尾類小」を。あいかわらずの絹糸声(いーちゅぐい)ですが、さすがに齢をとったかなぁ。息継ぎが苦しそうだし、音程も平板になりつつあるよう。

 続くのはよなは徹。若いのにこの人はスゴイ! 三線には寸分の破綻もありません。おとうの得意だった「放蕩口説」と本人の十八番の「舞方」。
 いちばん若くてどきどきしているが、ステージよりも控え室のほうが、大先輩がたくさんいるので緊張する、といったような話で笑いをとります。
 知名定男が太鼓でアシストする場面も。知名の太鼓もステディです。

 登川誠仁。ステージ袖から客席を窺いながら登場する仕草はおちゃめ。肝臓をやって、徳州会(病院)と中の町(コザの飲み屋街)を往復するのが大変なので、酒をぱったりやめたのだそう。ところが、酒をやめたら身体のあちこちが痛くなってコマッタという話。
 「ナークニー~カイサレー」と「仲座兄」。当分は死なないよ、みたいなセリフを残していったん退場。このおっさん、まだまだ元気だな。(笑)

 第一部の最後は嘉手苅林次。やはり声が渋すぎる。三線も弾き方が我流っぽい。おとうの血を引いている故か。
 「汀間当小(てぃまとうぐゎー)」に続いて、締めは「白雲節」。やっぱりこの唄、おとうのテーマソングだよな。感慨がひとしおでした。

 2枚目の第二部は、また別途まとめてみます。
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 7月末から8月にかけて入手した本は、次の11冊でありんす。

 ひめゆり 沖縄からのメッセージ  小林照幸       角川文庫        857
 沖縄本礼賛               平山鉄太郎      ボーダーインク   1050
 沖縄の新聞再生            比嘉辰博       新星出版        952
 激動期を走る              仲本安一       琉球新報社     1238
 国境の島与那国島誌         宮良 作        あけぼの出版    2300
 ウチナー・パワー            天空企画 編     コモンズ       1890
 ラ・ラ・ラ、ラジオ沖縄         ラジオ沖縄 編    ボーダーインク   1680
 沖縄へ                  鈴木 耕        リベルタ出版     1575
 笑う!うちなー人物記         ボーダーインク編   ボーダーインク   1050
 「八重山合衆国」の系譜       三木 健        南山舎        1995
 ニライカナイの風            上間 司        角川学芸出版    1500

 あぁもう、こんなに買ってどうするんだという状況。せいぜい月に5冊程度しか読めないくせに、毎月のように10冊前後も買うわけだから、そりゃ、はばけるというもの。
 あ、「はばける」って、もしかして方言? インプット過多で処理が進まない256の旧パソコンのような状態だと思ってください。(笑)

 未読本は本棚で平積みになっているのですが、その山が、1、2、3、4、・・・5つもあるぞ。それもそれぞれ一山が高く、棚の高さまで目いっぱいのギュウ詰めというありさま。
 だってさ、最近の本って、あるうちに買わないとすぐに売切れてしまうし、一方で、こうも暑い日々が続くとどうしても読書欲って減退するものなのよね、そうでしょ。
 う~~、着実に読まないと、そのうち進退窮まってしまうゾ!


 陰謀と戦乱・・・歴史の激動に翻弄された琉球王国の伝説的皇女の生涯を、定説を覆し壮大なスケールで展開する野心的大作!! ――とのコピーが付いています。

 この本、スゴイ! 2段組みで760ページもある超大作です。池上永一の「風車祭(カジマヤー)」を読んだときもそのボリュームに圧倒されましたが、あれは540ページほどでしたから、こちらのほうが上ですね。

 百十踏揚(ももとふみあがり)は、第一尚氏王統6代目尚泰久王の子女で、あの護佐丸の孫に当たる“うみないび”(王女)。当時絶世の美女として一世を風靡したとされています。
 政略結婚により勝連の阿麻和利(あまわり)に嫁ぎますが、その阿麻和利は、王府に牙をむいたために、後に第二尚氏王統の祖となる金丸の策謀によって滅ぼされます。それを機に王府へと連れ戻された踏揚は、こんどは阿麻和利の宿敵だった鬼大城(うにうふぐしく)の妻となり・・・。
 そして第二尚氏の世となった段階では、旧王統の血を引くものとして抹殺されそうになりますが、なんとか兄弟たちは赦免され、島尻玉城の富里で隠棲ののち、崩御する運命となります。

 ちょうどこの本を読んでいるときに、うるま市の中高生が演じる現代版組踊の「肝高の阿摩和利」を観ました。(一般的には「阿麻和利」と表記されますが、こちらは「阿摩和利」です。)
 そのため、青年たちが熱く演じる舞台は歴史的背景などがよくわかって、非常にラッキーでした。この舞台の歴史観はこの本と似た立ち位置であり、阿麻和利に同情的でした。

 ある琉球歌劇では、この百十踏揚が、阿麻和利の妻でありながら鬼大城に寝返ったために勝連は滅ぼされた、とするものもあるように、この時代に関する確たる歴史認識は定まっていないだけに、さまざまな解釈ができるというのも、おもしろいところです。

 歴史家には描けない大胆なストーリーですので、引き込まれるように読み進むことができます。
 この大作、いったいいつになったら読み終えることができるだろうかという当初の懸念は、少し読んだあたりで氷解するはずです。

 当時の不可解な歴史を、真偽は別として、NHKの大河ドラマを見るように物語として理解できます。尚泰久、百十踏揚、護佐丸、阿麻和利、鬼大城、尚円金丸らがそれぞれひとつのキャラとして印象付けられました。

 ヒジョーに楽しませていただきました。


 平凡な高校生、透、暁、哲雄の3人。透に淡い想いを寄せる唯。彼らにとっては青い空も輝く海も日常の風景だ。
 この4人が沖縄のインディーズシーンで超人気の「ワーカホリック」のライヴを目にしたことで、突如音楽に目覚め、ヒップホップバンドを組んでしまった。バンド名は沖縄の市外局番にちなんで「098」。
 ひょんなことからワーホリの前座としてステージに立つことになった透たち。ラップは簡単じゃない。楽器の練習、ライムの作成、そして切なくもどかしい恋ごころ・・・。
 ずっと中途半端だった生活が音楽をきっかけに少しずつ変わっていく。いま一番大事なものは何なのか。果たしてステージは成功させられるのか!?――

 そんな沖縄発の青春HIP HOP映画を観たのは、4年ぐらい前のことだったろうか。
 井上真央がヒロイン役で、KONISHIKI、玉山鉄二、陣内孝則などが出ていたっけ。
 エンディングで唯の父親役の陣内が、
 「五月みどりとシャツ黄緑は、似・て・い・る、YO!」
 「沢口靖子と川口ジャスコは、似・て・い・る、YO!」
なんていうダジャレを連発していたのを記憶しています。(笑)

 その原作本とでもいうべき文庫本があったので入手しました。
 「とでもいうべき」というのは、この小説は、映画とほぼ同時並行的に書かれていたらしいからなのです。フツー小説ありきで映画がつくられますよね。映画と小説について、そういう形でつくられていくものもある、ということを知ってちょっとオドロキ。

 で、これって映画と同じなのだろうと思って読み始めたのですが、映画が透を主人公としているのに対して、小説のほうは唯が中心。

 そして小説は、姉の南風原美奈が、実にいい味を出しています。
 そのミナ姉、
「セックスのことはアレとかエッチとか言わずに、きちんとセックスと言え!」とか、
「だいたい、セックスなんてもんはさ、ココロの部分を除いたら、単に、粘膜と粘膜が擦れ合っているだけなんだから」とか、大胆です。

 全200ページほどの作品ですので、このクソ暑さもそう苦にならずにあっさり読了。
 映画は映画でよろしいが、小説もまた、よろしゅおすな、って感じです。