さて、トリは、パーシャクラブ。
 恒例の、幸人がどんな仮装をして現れるかが注目されるステージでしたが、今回は・・・ブルゾンちえみでした! これまで「変身」してきたアナと雪の女王やりゅうちぇるには恐ろしいものを見たときに覚える鳥肌感覚があったものですが、今回は案外似合っています。(笑)
 語りには、女性国会議員のパワハラ発言の「このハゲー!」、「ちがーだろー!」などが入って、場内爆笑の渦。いやはや、最高。幸人は声よし、歌よしだけではなく、芸人としても十分にやっていける才能を持っていると思う。
 今回は、酔い具合が軽い感じ? そういえば、ガレッジの二人も飲んではいるけれども、例年よりはかなり抑えて飲んでいる印象でした。スケジュールもびっしりのようで、ゴリは最終のフライトで沖縄に戻ったとかで、この段階で不在となっていました。
 でもって、演奏のほうはあまり新鮮味がなくいつものとおりの感が強いです。「海の彼方」をいつもよりもややスローの安定した演奏で終え、新曲だという2曲目は過去の楽曲とあまり変わり栄えしていず、パーシャの限界は近いか?!と思わせるところも。
 最後は「五穀豊穣」と「東バンタ」で、いつもながらの大盛り上がりとなります。まあ、セットリストがワンパターンなので、幸人の変装も必要なのかといううがった見方も。
 気がついたけれども、ベースが女性。あれ、神村英世は? どうやら体調不良につき休養中のようでした。

 そしてフィナーレ。参加者全員がステージに再登場し、みんなでうたいます。
 まずは「安里屋ユンタ」を仲宗根、桑江、我如古、徳原、よなは、新良、下地らが。続いて「豊年音頭」をよなは、我如古、仲宗根、またよなはが。
 この2曲だけで、19時45分、わりとあっさりと2017年の琉フェスが終わったのでした。

 今回は、琉球オールスターズ以外はアーティスト同士のからみが少なかった印象があります。「組み合わせの妙」は何だったのか。琉球オールスターズがそれだったの? 年に1回のお祭りなのだから、もっと様々なコラボレートがあってもいいのではないでしょうか。過去にはそういう企画がいろいろあっただけに、今後ここでしか見られないような企画に期待します。
 それから、今回も奄美のウタシャが不在だったのは残念。
 ともあれ、今回は天気もよくて、よかったです。また来年!

ryufes-tky 2017
スポンサーサイト


 5番手は、よなは徹バンド。よなはが4人をバックに従えてヘヴィに。
 酒持ってこいの「サイサイ節」、はベースが効果的で、続く「新エイサー節」ではよなはの三線がキレキレ。三線の切れ味という点では、今の沖縄音楽シーンでは彼がいちばんなのではないか。
 ここで、よなはのシージャ(先輩)でもある護得久流民謡研究所会長の護得久栄昇が登場。独特の風貌と話術は秀逸です。
 「写真やビデオはどんどん撮ってかまいませんからね、私に著作権なんてありませんから、どんどん撮ってインターネットで配信してくださいね」には大笑い。
 「誰(たー)がシージャか」といううたを。「誰が先輩か!」という歌詞に「ヤッケーシージャ!」(厄介な先輩だよ)と観客が返すのが楽しい。

goeku.jpg

 護得久は1曲だけで下がり、その後はよなはのノリノリステージ。
 ロック調の「花ぬカジマヤー」はよなはオリジナル、続いて「屋慶名クーヮデーサ~唐船ドーイ」で最高潮に。
 最後はいつものとおり三線を観客席へ放り投げます。ゴリの実況中継?によれば、観客席では6人ほどが争奪戦を繰り広げており、スタッフ数名が間に入って誰が獲るかをジャンケンで決めることに。決まるまで2~3分はかかっていたようです。

ganeko_20171010063656730.jpg

 6番手は我如古より子。
 緑色の鮮やかな着物で登場。「緊張しています~」なんて言っていたけど、本当はどうなのか。(笑) だって彼女、永年コザの「民謡ステージ姫」で歌ってきているわけですから、けっこう堂々としたものです。
 そして、今は那覇国際通りのハイサイおきなわビル(喜納昌吉&チャンプルーズやネーネーズの店と同じビル)で営業している(2016年8月から)とちゃっかり宣伝も。物腰柔らかでチャーミングだから、こういうこともより子オネーサマには許されるわけで。
 うたうは十八番ばかりがずらり。デビュー曲の「娘ジントヨー」、これもジントヨー系の「池間美童」、別れ旅うた系の「女工節」、最後は合いの手を求めて「ケーヒットゥリ節~山原汀間当」。
 ウチナーンチュならみんな心に沁みついている歌ばかり。最後の曲では、ちょうど雲間から月が顔を出しており、それを見上げながら ♪さやか照る月にジントヨ、誘わりてぃヨー・・・ に観客一同 ♪ケーヒットゥリヒットゥリ・・・と歌いだしました。チラシの「山原汀間当」もノリノリ。うーん、いいなあ、琉フェス。


owan-hamakawa.jpg

 次は、琉球オールスターズ。徳原清文・よなは徹・仲宗根創・大湾三瑠・浜川恵子の5人です。
 ゴリが徳原に、演奏後に先生はよなはのように観客に三線を投げないのかと問うたところ、「これは150万するんだ」と大慌てで固辞。こういうところを見るにつけ、かつてコミックグループ「ザ・フェーレー」にも参加した御仁ではあるけれども、根はチョー真面目な人なのではないかと思われます。
 よなはが、それぞれに流派があるためにこのような組み合わせは沖縄では難しく、東京だからできる――ということを話して、清文(せいぶん)シンシー(先生)を引き立てながら演奏開始となりました。
 「油断しるな」は、今は亡き登川誠仁を思い出させ、その愛弟子の仲宗根の揺らぎのある歌声なんて誠グヮーそのもののよう。浜川の琉球筝が入ることによって、曲全体がきらびやかになります。
 その後「富原(とぅんばる)ナークニー」、「浜千鳥節」、「いちゅび小~ハリクヤマク」。
 最後には琉球舞踊安座間本流師範の大湾三瑠によるガマク(腰)ふりふりの雑踊りが加わって、大いに盛り上がりました。三線の早弾きが自然とカチャーシーを誘引しました。

kuwae.jpg

 4番手は、9年ぶり5回目出場の桑江知子。
 前回登場のときにも思ったのだけど、この人、琉フェスに呼ぶのにふさわしい人物なの?
 沖縄生まれだけど九州育ちで、中央のプロモートデビューでふつうのJポップ系でしょ。
 「琉フェスは三線弾かない人は出られないんですよ」とは、ある沖縄ミュージシャンの言。ボクもそうするほうがいいと思う。
 しかし1曲目は、まがりなりにも三線を持ち、♪シュラヨイシュラヨイ待ちかにてぃ・・・という、沖縄風の「月詠み間(ちちゆみま)」を。佐原一哉の作詞なのだそう。まあ、これで出場するための禊ぎをクリアしたということかも。
 次は1979年に大ヒットしたデビュー曲「私のハートはストップモーション」。つまりデビュー38年目。こういう曲でも盛り上がるものになったのですね、琉フェスって。
 その後はTHE BOOMの「風になりたい」と、我如古より子の持ち歌「うんじゅぬ島」を。
 「うんじゅぬ島」は母がわが子を想い歌ううた。我如古による大人の色っぽさと深い愛情が感じられる溜息まじりのうたい方ほうがいいと思うけど、琉フェス帰りの夜に自分が口ずさんでいたのはこの曲。印象深かったということなのでしょう。

 毎年秋、恒例となっている「琉球フェスティバル東京」を観てきました。
 東京開催は今年で22回目。開催概要は、次のとおり。
  10月1日(日)東京・日比谷野外大音楽堂  開演16:00 ※雨天決行
  出演:古謝美佐子/我如古より子/パーシャクラブ/よなは徹バンド/桑江知子
     THE SAKISHIMA meeting(新良幸人×下地イサム)
     琉球オールスターズ(徳原清文・よなは徹・仲宗根創・大湾三瑠・浜川恵子)
  司会:ガレッジセール



 前日から東京に泊まり、夜、そして当日の朝にも居酒屋をはしごして、日中埼玉県の川越まで足をのばして「小江戸」の風情を眺め、15時半前に会場へ。7,500円の当日券を買って入場です。
 客の入りは、ほぼ満員ですが、後ろのほうには空席があり、毎回後方で全体を俯瞰する格好で見ていますが、今年は周りがスタンディングになっても座ったままで前が見える程度です。

 主催者のM&Iカンパニーによれば、今回のキーワードは「組み合わせの妙」と「女流」の2つだというのですが、はたしてどんな感じなのでしょうか。
 15時40分、いつものように東京沖縄県人会のエイサーでスタートし、15時55分にガレッジセールの二人とテレ朝の久保田直子アナが登場。5分余りしゃべって、定刻16時、いよいよ開幕です。

misako_201710100636444b7.jpg

 トップバッターは、ザ・砂かけババア(ゴリ談)こと、古謝美佐子。
 ハデハデの胴衣(どぅじん)、裙子(かかん)風の姿で登場。脇を固めるのは夫でもある佐原一哉、そして「琉神」のエイサー太鼓です。
 披露した曲は「アメイジング・グレイス」、「国頭サバクイ」、「童神」、「ナークニー~カイサレー」の4曲。
 美佐子独特のハリのある声が相変わらず冴えわたります。「国頭サバクイ」などは迫力さえ感じるぐらい。しかし63歳ともなると、やや息継ぎの一瞬あたりに微妙な衰えを感じないわけにはいきません。
 また、佐原の奏でるシンセサイザーの音が割れ気味で、金属音のような音が耳に響いたのがやや残念でした。
 美佐子はガレッジらと砂かけ合戦をしながら楽屋へ。おもしろいおばさんです。

sakishima-meeting.jpg

 2番手は、新良幸人と下地イサムによるTHE SAKISHIMA meeting。
 まずは、ミャークフツが入るテンポの速い曲。なんていう曲? 下地のギター掻き鳴らしと新良のスタッカートの入った三線がいい。歌詞に「ニヌファーマイ」とか入っていたようだけど、不明。
 続いて、幸人が「二人で書いたマグロの歌を聴いてくれ!」とアピールして歌い始めたものも、沖縄民謡という感じではないような曲だけど、不明。最近聴き込んでいないからなあ。
 3曲目は「Jingo~夏至南風(カーチバイ)」。77の口説調の歌詞と、♪ササッ、ササッ、舞い遊ば ササッ、ササッ、世ばなうれ・・・の愛の手のキレがいい。
 最後は名曲「ダニーボーイ」を二人で。幸人の声が特にすばらしい。ハモりの部分も絶妙で、ざわりと来るぐらいでした。

ryufes-tky 2016

 そしていよいよフィナーレへ。
 出演者全員がステージに勢ぞろいして、すっかり酔っ払って呂律が怪しいゴリの「何をうたうんですか」の問いに大工が「安里屋ユンタ」と答えて、まずはそれを。観客もそろってサーユイユイと。正調、星克作詞の本土普及歌詞、ネーネーズグループの歌詞と3種類でうたわれる。
 さらに何曲かいくのかと思っていたら、次はもう「唐船ドーイ」。よなは徹や幸人などがうたい、園田エイサーの旗頭が揺れてそれなりの雰囲気が出たものの、これがうたわれるということはもう次はないわけで、ここで打ち止めに。
 終了時刻は19時45分頃だった。

 全体としての感想。
 琉フェスの伝統として、琉フェスでしか見られないアーティストたちのコラボがあったものだが、今回はそれが極めて少なかったことは残念。かつての名場面としては、喜納昌吉とその父昌永のコラボ、何十年ぶりかでのオキナワ・チャンズ(古謝美佐子・我如古より子・玉城一美)の復活などがあったものだが、そういうシーンはすっかり影を潜めてしまった。また、様々なプレイヤーのステージングに参加していたよなは徹は今回は自分の出番以外登場しなかったことも少々残念。

 また、「琉球」フェスティバルを名乗るなら奄美のウタシャははずせないと思うのだが、今回は皆無だったのは寂しい。琉球弧全体をカバーできていないこのような形が続くとするならば、イベントの名称を「沖縄フェスティバル」に改称しなければならないのではないか。

 ついでに言えば、竹中労が1974年に始めた頃の琉フェスが民謡中心だったことを思えば、もっと民謡を復権させてもいいのではないかと思う。
 民謡主流の血脈は、実はこれまでは大阪開催が引き継いできていたのだが、それが昨年以降途絶えてしまった。このことは、竹中労以来の琉フェスの潮流を知る者にとっては、琉フェスの正統性の喪失と写るのだ。

 さらには、ずっと琉フェスを育て、支え続けてきた男、知名定男は何をしているのか。琉フェスを20年やってすっかり満足してしまったようだが、知名は再度立ち上がるべきだ。まだ70ちょっとになったばかりじゃないか。
 さもなくば、シージャ(先輩)方から知名が引き継いできた沖縄民謡の「血統」を、自らしっかりと誰かに引き継がなければならないはずだ。知名はそれをしてきただろうか。

 ほかにもいろいろと思いはあるが、愚痴っぽくなるのでやめよう。
 だが、主催してもらえる人々にお願いを申し上げたい。ここに、そして日本の至るところにも、かつて竹中が感動しながら紹介し続けてきた沖縄らしい音楽の神髄を聴きたくて待ちわびている人々がたくさんいることに思いを致してほしい。
 とりわけ、大阪開催は復活ならないものだろうか。あれはよかったのだけどなあ。
parsha 201610

 最後に登場したのは、パーシャクラブ。
 このところの琉フェスは、すっかりパーシャクラブが幅を利かせている。彼らはそれだけの力量を十分に備えているので格別の不満というものはないのだが、どちらかと言えば民謡系から沖縄音楽に触れ始めた自分としては、琉フェスで彼らが主役だというのはどうもストンと落ちないでいるところだ。
 かつては嘉手苅林昌、登川誠仁、知名定男、大城美佐子、大工哲弘など、民謡の重鎮たちがトリをとったものだ。

 今回も幸人は誰かに変装して登場。「ゆきちぇるで~す!」というのだけど、それって誰?! オジサンは知らない。
 あとで調べてみると、「りゅうちぇる」という沖縄県読谷村出身のタレントがいるのだそうだ。幸人はその彼を真似ていたようなのだが、困ったことに真似をされてもそれが似ているのかどうか、こちらはまったくわからないのだった。(笑)

 でもって、演奏内容はいつもとあまり変わらず、「海の彼方」、「五穀豊穣」、「東バンタ」、「満天の星」のラインナップ。上地正昭のギターが冴えわたり、サンデーの掛け声が間奏に響く。

 トピックとしては、「五穀豊穣」で動きのぎこちない女性ダンサーが数名ひょこひょこと出てきたと思ったら、それはうないぐみのメンバーだったこと、「東バンタ」にチアキが三板で参加したこと。
 パーシャのノリは、正直言っていつもよりもテンションが低めだっただろうか。曲のテンポ自体が微妙に遅かったし、幸人の歌い方が慎重というか、たどたどしかったというか。つまりは、だいぶ酔っていたということか?!
unaigumi 201610

 6番手は、うないぐみ。
 佐原一哉がプロデュースする、古謝美佐子、比屋根幸乃、宮里奈美子の初代ネーネーズの3人に島袋恵美子を加えたオバサンユニットなのだけど、ネーネーズが大活躍していた沖縄音楽全盛時代を知る者にとっては懐かしさのあまり、彼女たちがステージに立つだけである種の感動を覚えるものなのだ。
 まあ、あれから10数年、年齢も体型も変わったけど(笑)、歌声を聴けば当時の輝きはボクたちにはしっかりと蘇ってくるものがある。

 1曲目は、曲名がわからないのだけど、2年前の琉フェス東京でも彼女たちが2曲目にうたっていたもの。勉強が足りませんナ。単なるユニゾンなのだが、沖縄の島唄の心地よさが伝わってくるいい曲。
 2曲目は、「みなとーま」。八重山民謡のこの曲も、佐原のシンセサイザーによってこういう仕上がりになるのか。♪ マタカイショリヨー スーリ・・・
 続くは、初代ネーネーズのメドレーということで場内大喝采。ラインナップは「DAY~O!(バナナボート)」、「テーゲー」、「黄金の花」。そうそう、このゆるゆるとした感じから一転シリアスというのがネーネーズの持ち味だったよなあ。

 そして締めは、名曲「童神」。♪イラヨーホイ・・・のサビ部分ははじめのうちは幸乃が、後半は美佐子が。
 美佐子の発声法は独特で、こういう歌い方はほかの人は真似ができないだろうな。また、幸乃の高音は相変わらず冴えている。今の4代目?のネーネーズは若くてソツがないが、ステージ上の彼女たちのような個性があるかというとまだ疑問である。
daiku 201610

 5番手は、大工哲弘 with 大工苗子。
 演奏前のMCでゴリは、かつて大工がステージ上で苗子夫人に「もっと前へ出て踊れ」と命じていたのを見て、大工を亭主関白だと言ってからかい、笑いをとる。そのすぐ後ろに出てきていた苗子夫人が極めて冷静なのが面白い。

 最初のうたは「月ぬ美しゃ」。苗子は琴、ほかに笛と太鼓が入って、雰囲気はぐっと八重山モードだ。あたりはすっかり暗くなり、ここにぽっかり月でも見えたなら完璧なのにな。
 2曲目は「安里屋節」。さらに「いやり節」、「とぅばらーま」と続いて、ここまでは民謡シフト。

 大工は鳩間島音楽祭に参加したという話をして、次は「鳩間の港」を。
 ♪ 船は出ていく 鳩間の港・・・ さよならさよなら 手を振れば 船は行く行く 鳩間の港・・・
 この曲を聴いて思い出すのは、2007年の琉フェス大阪。加治工勇がうたったこの曲に合わせておそろいの黄色いTシャツを着たスタッフ数十人が、手に手にティサージを持って踊りながらステージに登場し、第13回琉フェス大阪の名場面として語り草になったのだった。

 そして、それまで静かに演奏を見ていた数列前の女性が、突然手にタオルを持ち、そのときの踊りを見事な手さばきで再現したのだった。
 これには鳥肌が出るほどに感動。美しいなあ(後ろ姿しかわからないけど)。もしかしたら彼女は10年ほどの過去となってしまったあの時、ステージの側にいた人なのかもしれない。

 大工は興が乗ったと見えて、もう1曲「さよなら港」をうたう。これも鳩間島関連。苗子がステージ前に躍り出て、雑踊りか、石垣島のガーリーか、はたまた優香のばか姫かというようなはっちゃけた踊りを披露。最後は懐から数本の紙テープを取り出して、船を送るかのように会場に向かって投げ込んで見せたのだった。
 これにより、大工のステージはなんだか苗子夫人が総取りしていったような印象で、ゴリの話していたこととは真逆の結果になったようだ。
sonda 201610

 陽が傾いて、そろそろステージを照らすライトがいかんなく力を発揮する時間帯になってきた。
 そんな中、4番手として登場したのは園田青年会。言わずと知れた、沖縄エイサー界に君臨する実力ナンバーワンの青年会です。

 まずは地謡がじっくりと「しゅうら節」をうたって聴かせ、こちら側がその奥深く渋い声にう~むと唸っているうちに、大太鼓、締太鼓の音がどどんと鳴り始める。よーし、エイサーだ!!
 いつものように南嶽節から始まって、途中だいぶ省略があったように聴こえたが、仲順流り~久高まんじゅう主~シュンサーミー~トゥータンカーニー~海ヤカラー~テンヨー節~いちゅび小~固み節~花ぬカジマヤー~唐船ドーイと流れるように。

 気になっていた編成は、大太鼓3、締太鼓6、旗持チャー1の全10人。エイサーとしてはいかにも小編成で、手踊りの女性軍・男性軍、チョンダラーなどが不在だし、ステージ上だけでの演舞にとどまっている。そんなわけで、これが園田エイサーだと思われては困るぞという物足りなさを感じてしまった。ホントはもっとすげえんだかんなっ、園田青年会は。
 きっと10人というオファーの中で精一杯の対応をしたということなのだろうと思うけどね。

 でも、彼らの足の上げ方などの所作の徹底ぶりや、乱れのない隊列維持、くるくると回すように叩く太鼓の撥さばきなどは、ただただ惚れ惚れするばかり。このレベルって単なる青年会の出し物の域をチョー大きく超えていると思う。
 旧盆の時期のコザで、道じゅねーやガーエーを見たくなってしまったなあ。
chiaki 201610

 3番手はしゃかり。琉フェスには10年ぶりの出場になるのだそう。
 しゃかりは御存じのとおりボーカルのチアキとパーカッションのカンナリのコンビ。民謡マニアの自分としては正直言って彼らを沖縄のポップスユニットだという認識をしており、これまでほぼノーマークのグループだ。
 二人のコンビとはいっても、フィーチャーされるのはもっぱら女性のチアキ。44歳? かわいいじゃん。ちょっと太めに感じられるあたりが大人の女らしくてステキだ。やさしい声がとても魅力的で、歌う姿もアピール力があって好感度高し。
 そんな彼女は酒を飲むとすごいらしく、酔った彼女のあられもない姿を目の当たりにした夫のカンナリが「そんな妻が残念だ」と発言した逸話をゴリが面白おかしく披露した。

 1曲目は三線が入らず、琉装の踊り手が二人登場する中でワタシの知らない歌をうたう。「笑って」という曲?
 琉フェスというこのステージで三線が入らず、琉球音階でもない歌。そんな曲を聴いていると、コレハ琉フェスではなくただの歌謡ショーじゃないかという疑問も感じたり。

 2曲目は、今度は雑踊りの男女に扮した踊り手が登場し、♪ 琉フェスむさむさ ディアングヮソイソイ・・・の合いの手を観衆に要求して、独自にアレンジした「谷茶前」を。原曲とはずいぶん雰囲気が異なる形にアレンジされている。これに合わせて踊る舞踊家も大変なのではないか。ドラムはカンナリで、上地正昭もベースギターで参加している。

 3曲目では今度は女性バイオリニストのARIAという人を呼び入れてうたい、最後にもう1曲、「命のお祝い」を。
 ♪ めくるめく光の島 今ここにある奇跡の全ては 命のお祝いしましょ・・・ 云々という歌詞のものをうたって締め。この曲、まさひろ酒造のCMソングになっているらしい。

 チアキのなかなかいい歌声を聴かせてもらったけれど、琉フェスにはどうなのかな。沖縄音楽シーンに携わるある人が言っていたのだが、三線を使うアーティストじゃなければ琉フェスには出られないのだそうだ。それってある意味正しい判断かもしれない、と思う。
shimoji 201610

 さて、2番手は下地イサム。
 今回はバイプレーヤーを置かず、一人、アコギ1本での参加だ。上下を黒のタイトな服装でピシッと決めている。

 まずは名曲「我達が生まり島(バンタガンマリズマ)」。何度聴いてもいいよな、これ。国民年金のことが歌詞に出てくるあたりで観客たちがふっと和む様子が感じられるのも、なかなかいい。
 続いては、♪ 明日浜辺を彷徨えば・・・の「浜辺の歌」をミャークフツ・バージョンで。そう来たかという感じだが、アコギの力ってすごいんだね。聴かせてくれるよ、これも。
 3曲目は、こういうことをうたった曲だと解説をして、「狭道小からぴらす舟(イバンツガマカラピラスフニ)」。

 最後は新良幸人を呼び入れて、SAKISHIMA meetingのノリで「ダニー・ボーイ」を。
 彼らのハーモニーはすごく音階が合っていて、ちょっぴり感動。つまりは彼らの音感が同じだということなのだろう。この曲は、我如古より子もうたったことがあり、ウチナーンチュの心の琴線に触れる曲なのかもしれない。

 今回は、下地のうたう全ての曲名がわかったが、ふだんは全曲ワカルなんてことはなかなかないものなのだ。彼は曲名を紹介するようなことはしないし、早口のミャークフツは耳をそばだててもそう易々と理解することはできないからね。
yonaha 201610

 一番手は、14回目出場のよなは徹。今回もバックバンド付きのヘヴィロック風のステージングだ。
 前奏の後、1曲目のスリリングな曲は、CD「子の方(にぬふぁ)~Polaris~」収録の「御祝さびら」か。
 続く「新エイサー節」は創作のエイサーソングだが、同様のモチーフで創作したものがすでにパーシャクラブの作品に何曲かあるため、意図としては新鮮味に欠ける。だがそうは言っても、エイサーのグルービーな雰囲気がギンギン伝わってくることには変わりはない。

 3曲目は、よなはオリジナルのほうの「花ぬ風車」。そして続くのは三線早弾きの「クラハ山田」風のもので、これは「まく弾ち・さんしん」というものか。これがそのまま「唐船ドーイ」へと歌い継がれ、場内ここでようやく踊り出す人が数人。
 早くも「アンコール!」の声がかかり、最後はしっとりと「満月の夕」をうたいあげ、恒例により三線セットをケースごと観客へと投げ入れて、締めとなった。

 うたわれた曲の多くは2015年2月に発売されたアルバム「子の方」からのもの。このCD、買わなきゃな。
 また、よなはは今年、伝統的舞踊曲などを大成した「Roots~琉楽継承」を2枚リリースしており、これも要チェックだろう。

 ここでふと気付くが、過去を思い起こせば琉フェスの風景はずいぶん様変わりした。かつてはディアマンテスのフラッグをなびかせる大勢の若い観客がいて、大工哲弘を「オマエは共産党員!」と罵るシリアス路線の者も混じり、りんけんバンドやネーネーズのコテコテ沖縄路線に酔いしれる沖縄フリークのナイチャーがいて、ベテランたちの民謡にしみじみと聴き入る内地生活の長いウチナーンチュがいたものだ。
 しかし今は、ゴリが言ったように集団宴会を楽しむために来ている者が多いように感じられ、全体の年齢層もかなり高くなったように感じる。
 無論、その良し悪しは軽々に論じられるものではないが、20年近くにわたって琉フェスを見続けてきた自分にとっては昔が懐かしく、感慨深いものがある。
ryufes-tky-rogo 2016

 10月2日(日)、日比谷野外音楽堂で開かれた「琉球フェスティバル2016東京」に行ってきました。その状況について、何回かに分けてまとめておきます。

 東京開催は昨年に続いての参加。参加回数は何回になったのだろうか。2015年からは大阪開催がなくなってしまった(「休止」なのだそうだが)ので、本土にいながらにして沖縄音楽を堪能できる機会として、東京開催は今となってはとても貴重なのだ。
 当日は、10月としては暑い日で、曇りの予報だったものの、晴れ。雨男の下地イサムが出場するので不安だったのだけれど、予想外。(笑)
 その代わり?、沖縄に台風が接近しているため、早々と翌日の沖縄便の欠航が決まったよう。出番前から飲んでいる出場者たちは、これで今夜はとことん飲めると「バンザーイ!」を連呼していた模様です。

 出演者は、うないぐみ(古謝美佐子・宮里奈美子・比屋根幸乃・島袋恵美子)、大工哲弘 with 大工苗子、パーシャクラブ、しゃかり、下地イサム、よなは徹、園田エイサー。
 民謡の重鎮が姿を消し、奄美からの参加者が不在であるなど、参加者の層が薄くなっています。園田エイサーが出るのがうれしいが、どのような編成なのかが気になるところ。
 司会はいつもどおりガレッジセール。

 琉フェス東京の場合たいてい当日券で見るのだけど、今回初めて、券売所で空いている席のうちどこがいいかを訊かれた。それではと、去年見たときとまったく同じの、ステージから見て左側のずっと後ろの席にしてもらった。左側は午後の時間帯には順光となり、後ろのほうは全体を俯瞰するのに最適だからだ。
 入場してすぐにオリオンビールと缶チューハイをゲットして、着席後直ちに飲み始める。入場直前まであちこちを歩いて、すっかり喉が渇いてしまったので。

 16時の開演予定時刻の20分前になって、東京沖縄県人会のエイサー隊がステージと場内に散開して、エイサー演舞が始まります。曲目は、仲順流り~久高まんじゅう主~安里屋ユンタ~スーリー東~いちゅび小~ヒヤミカチ節~唐船ドーイ。
 15時54分にはガレッジセールの二人が躍り出てきて開会です。かつては沖縄タイムで遅れて始まるのが普通だったけど、この頃は違うねえ。
 ゴリは、毎年恒例の集団飲み会の日がやってきた!、今日は東京が沖縄になる日だ!と叫んで、いつもと同じ場の雰囲気を作り出します。
 毎度のことで、まずは「嘉例(カリー)!!」の掛け声で缶ビールを高々と掲げてぐびりと。
 仕事の関係で時間が取れないかもしれず、行こうか行くまいか迷っていた今年の琉球フェスティバル(東京)でしたが、何とかなりそうなので、行きます!

 今年の琉フェス東京は10月2日(日)の開催。夕方から夜にかけての公演を見ようとすると、山形から行った場合東京で1泊しなければならず、そうすると翌月曜日の午前中は仕事を休まなければなりません。ところがそこに、どうしてもはずせない重要な用務が入ってしまい、困ったなぁと思っていたのでした。仕事の性質上、こちらから期日を変えてくれとは言えないものなのです。
 しかし、数日前、その用務が先方の都合で同日の夕方にずれ込んだのです。え・・・それはホントなの!?
 それって、神の配剤によって生じた天啓のようなものではないか。

 その時点からは琉フェス参加に大きく舵を切り替え、大慌てでフライトとホテルの確保に邁進です。
 幸いにしてどちらも首尾よくいき、諸条件が整いました。
 明日、10月2日の朝にこちらを発ち、東京の某酒場で一晩だけ沈没し、翌3日の昼頃までには戻ってきます。

 ちなみに今年の琉フェス東京の開催概要は、次のとおりです。

出演:うないぐみ(古謝美佐子・宮里奈美子・比屋根幸乃・島袋恵美子)/
   大工哲弘 with 大工苗子/パーシャクラブ/しゃかり/下地イサム/よなは徹/
   園田エイサー
司会:ガレッジセール
日時:2016年10月2日(日) 15:15開場/16:00開演
会場:東京・日比谷野外大音楽堂(雨天決行)
料金:前売¥7,000/当日¥7,500(全席指定/税込)

 メンバーとしては、新鮮味という点では今一つで、むしろヘリテージ感すら漂ってくるような気がしないでもないですが、言い方を変えれば安定感が抜群とも言えるでしょう。10年ぐらい前であれば垂涎のメンバーだったかもしれませんね。
 ま、夜の飲みも含めて、バッチリ楽しんでこようではありませんか。

《琉球フェスティバル大阪のポスターです》
 2014年を最後に開催が途絶えている大阪開催の、過去のポスター図案の一部を掲載します。
 1999年時から2002年時までの4パターンです。
 いやぁ、メンバーが、すごいよね。

   2000.jpg

2001.jpg   2002.jpg

1995.jpg  1996.jpg

1997_20150911171805420.jpg  1998.jpg

 2015年の琉球フェスティバルの東京の開催日である9月20日が迫ってきました。
 みなさんは行かれますか?
 私は、その日の天候を勘案し、天気が良ければ当日券で参加しようと思っています。
 東京へは当日向かい、22日まで遊んで帰ってこようと考えています。

 さて、一方の大阪開催はどうなっているのでしょう?
 大阪は去年20回目の開催を達成し、仕掛人の知名定男がずっと言い続けてきた「最低20回はやる!」ことを実現したわけですが、21回目となる今年の開催情報が一向に入ってこないのですよ。

 というわけで、例年筆頭主催者となっているFM OSAKAのホームページを調べると、次のような記事を見つけました。

☆今年の「琉球フェスティバル」について
 昨年2014年も大阪城音楽堂で開催しました「琉球フェスティバル」ですが、
 今年2015年のイベントの開催をお休みさせていただくことになりました。
 これまでにお問合せなどいただいたファンの皆様にはご迷惑をおかけしましたが、
 何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。
 FM OSAKAではこれからも琉球音楽のアーティストの皆さんのご活躍を
 紹介・応援してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
   2015年6月22日 FM OSAKA


 あっちゃあ、そうだったのか。
 1995年以来毎年欠かすことなく20回という回数を重ねてきたのですが、とうとう・・・という感じですかねぇ。

 「お休み」ということなので、来年度以降の開催をも否定しているわけではないので、多少の安堵感はないではありません。
 しかしどうなのでしょうね。いったん切れた糸を再び紡ぐのはそう簡単なことではないのではないか。
 すごーく残念です。


 さて、去年、20回記念となる大阪開催のことになりますが、10月5日は仕事の関係でどうしても参加できず、居住地で切歯扼腕していました。
 その時のセットリストが同じFM OSAKAのホームページに載っていたので、ここに引用させていただき、記録しておこうと思います。



スタート~京都琉球ゆう遊会

パーシャクラブ
  海の彼方
  七月エイサー
  東バンタ
  五穀豊穣

上間綾乃  サポート:澤近泰輔(Key)
  はじめての海
  童神
  花言葉

大島保克  サポート:近藤研二(Gt)、サンデー(Per)
  から岳
  赤ゆら
  流星
  イラヨイ月夜浜

下地 勇
  我達が生まり島
  ジャズィーミャーク(with新良幸人)
  Danny Boy(SAKISHIMA meeting(下地・新良))

エイサー~京都琉球ゆう遊会

徳原清文・大城美佐子・知名定男
  舞海シンボラー(徳原)
  白雲節(徳原+大城)
  てぃんさぐぬ花(徳原+大城+上間綾乃)
  ヒンスージュリ小(徳原+大城+知名)
  金細工(徳原+大城+知名)

ネーネーズ  サポート:三好ひろあき(Gt)
  ウムカジ
  Day-O!(知名定男+コーラス:徳原・新良・大島)
  黄金の花(with知名定男)

里 朋樹・歩寿
  かんつめ
  今ぬ風雲
  (イトゥ)
  ワイド節

大工哲弘with大工苗子  サポート:サンデー
  鷲の鳥
  マルマブンサン
  殿様節
  八重山育ち
  まみとーま

りんけんBAND
  なんくる節
  浦風
  七月エイサー待ちかんてぃ
  ふなやれ
  乾杯さびら~ありがとう
  嘉手久~唐船どーい
  黄金三星(知名定男+照屋林賢・知子)

フィナーレ
  六調     里朋樹・歩寿
  嘉手久    知名定男+徳原清文
  唐船どーい  出演者全員
  とぅばらーま 大島保克+新良幸人+大工哲弘


 うーむ・・・。今思えば、20回目が最後になる予感が、実はないわけではなかったのですがねぇ。
 セットリストを見ると、各出演者のラインナップは定番のものばかりと言ってよく、裏を返せばマンネリとの謗りもあるかもしれません。
 しかしそれにしても、豪華な顔ぶれではないか。
 これを見逃したのは、返す返すも残念でなりまへんなぁ。
china 201503

 知名定男が公演活動を引退するとの報に触れて落胆したのは2012年3月。
 あれから3年が経過し、今度はその知名が「歌手復帰」を果たすのだという。
 沖縄民謡を追いかけて20年以上になる自分にとって、これは朗報。なにせ彼は、竹中労が本土に島唄を紹介した1970年代中頃にはすでにその中心メンバーの一人として活躍しており、今となってはその数少ない「生き証人」の一人であるからだ。

 だがその一方で、なにか腑に落ちない一面もある。
 3年前に書いた当時の記事を読んでほしい。そこには「引退」を聞きつけてかなり落胆している自分がいる。
 自分はある意味、そこでなにかにけじめをつけているようにも見える。
 ところが聴き手をそうさせた本人・知名は、「復帰」するというのである。
 多くの聴き手にけじめをつけさせた、当人としての「けじめ」やいかに。問題はそこだ。

 「島唄百景」という集大成となる6枚組のCDもつくられた。実はその歌声は、永年彼の声を聴き続けてきた者にとっては、声にかつてのハリが感じられず、一定の限界を予感させるものがあったのだった。

 つまるところ、復活してくれるのは誠に嬉しいのだが、はっきりさせておきたいのは、生半可な復活だったならば、聴く側は今度こそ厳しい裁定を下すだろうということだ。
 プロデュース活動の余技として、自分の気分で垂れ流すようにうたわれたのでは、唄者としてのこれまでの光栄ある活動まで否定されてしまいかねない。ファンはそれをけっして許さないだろう。
 島唄の大御所として余生を楽しむのではなく、精進を重ねてこれまで以上にいいものを提供し続けてほしいと願う。

 以下、沖縄タイムスの記事と、ディグ音楽プロモーションの告知を引用しておきます。

********************

・知名定男さん、3月に歌手復帰へ (沖縄タイムス 2015年2月5日)
 「バイバイ沖縄」「うんじゅが情どぅ頼まりる」などのヒット曲で知られ、2012年に民謡歌手を引退した音楽プロデューサーの知名定男さん(69)が、3月に歌手復帰することが4日、分かった。
 知名さんは、父で戦後民謡界をリードした知名定繁さんの生誕100年記念公演があることや、友人やファンの声もあり、復帰を決めたという。「二度と歌うことはないと考えたこともあるが、のどの調子も戻ってきたので、本来の自分の歌を披露したい」と意欲を示した。
 3月29日午後2時から「知名定繁生誕百年記念追悼公演」、同日午後7時から「知名定男復帰コンサート」がうるま市民芸術劇場響ホールで開催される。


********************

・ディグプロモーションのHPから抜粋
 知名定男復帰コンサート「よみがえる唄声」
 2015年3月29日(日) 19:00
 うるま市民芸術劇場 響ホール
 前売4,000円 当日4,500円  全席自由

出演/知名定男、宇崎竜童、南こうせつ、森山良子、夏川りみ
   知名定照(琉琴)、DIG(嘉手苅聡、前濱YOSHIRO、KOZ、名嘉太一郎)

公演趣旨
 惜しまれつつ現役引退をしてから3年。
 創作活動、プロデュース、若手指導を行っていると沸々と湧きあがる唄への情熱。
 唄仲間に背中を押され、豪華なゲストに支えられ、ついに復活。甦る唄声。

主催:知名定繁生誕百年記念追悼公演実行委員会
後援:うるま市、琉球放送株式会社、琉球朝日放送㈱、沖縄テレビ放送㈱、㈱沖縄タイムス社、
    ㈱琉球新報社、㈱エフエム沖縄、㈱ラジオ沖縄、琉球音楽協会
minyo-kouhaku 201412

 創立60周年を記念し、あの民謡紅白歌合戦が帰ってきます!
 ――というキャッチフレーズで、RBC琉球放送の民謡紅白が復活するようです。

 RBCの民謡紅白歌合戦は、琉球民謡を代表する唄者が一堂に会して名演を繰り広げてきた番組で、RBC創立とともにラジオで始まり、その後テレビで放送され、県民に新年の風物詩として親しまれてきたものです。
 年1回の楽しみであり、わざわざ沖縄に渡って公開録画を見たこともありました。
 しかし、2009年には公開収録がなくなって、歴代民謡紅白の貴重な映像とスタジオ収録の演奏で構成されることになり、翌2010年には放送自体が無くなってしまったのでした。

 そんな悲しい思いをした民謡紅白が、RBC琉球放送創立60周年を記念し、公録ベースでは実に6年ぶりに復活されるとのこと。うれしいじゃありませんか。
 放送は新年1月1日(木)午後3時~4時54分。若手から実力派民謡歌手の華やかな舞台を2時間にわたりたっぷり堪能できるわけです。
 なお、公開収録は12月16日(火)にすでに行われています。

 出演者(予定)は、田場盛信、神谷幸一、前川守賢、加治工勇、仲宗根豊、フェ―レー、仲宗根創、島袋辰也、知名定人、大工哲弘、饒辺愛子、でいご娘、山川まゆみ、うないぐみ、川畑さおり、村吉茜――と、愛好者にとっては垂涎のメンバーです。

 自分は残念ながら見ることができません。どなたか、録画して、私に見せていただけませんか。


 それから、OTVでは、12月12日に収録を終えている『第8回 新春!島唄の祭典』(旧称・東西民謡合戦)を1月2日9時から1時間半にわたって放映されます。
 出演者は、前川守賢、でいご娘、神谷幸一、神谷千尋、とぅるるんてん、我如古より子、ゆうりきやー、宜保和也、大山百合香ということのようです。
 こちらも録画を、どうか分けてください。
 今年の琉フェス東京は、新鮮味という点では少々見劣りしましたが、大工、パーシャ、大島、下地、よなはといった実力派の面々がずらりとそろっていたのでステディ感はバッチリ。それに加えて全盛期のネーネーズのメンバーが3人もそろううないぐみが参加することによって、旧来からの琉フェスファンにとっては厚みすら感じる布陣となったのではないかと思います。

 しかし、少々残念なこともあり、それは2つ。
 1つは、参加したアーティストたちのコラボレートが少なかったこと。それぞれが淡々とステージをこなして次へと移って行ったような印象があります。
 琉フェスでしか味わえないコラボレーションがもっとあってよかったのではないでしょうか。

 2つめは、奄美のウタシャがいないこと。これは「琉球」を名乗る以上どうしても必要なことではないかと思いますが、どうでしょう。
 個人的には中孝介、中村瑞希、貴島康男あたりが欲しいところです。

 ガレッジセールの二人は今年も大健闘。彼らのトークが東京開催には不可欠になってきているようです。飲んだ泡盛の量は今年は少なめでしたが、無理して飲むのはそろそろやめたほうがいい年頃になってきたし、それでいいと思う。

 来年は東京開催も20回の記念大会。きっと今年よりも充実した形で開かれるだろうから、期待して待つことにしましょう。

 ところで、大阪開催のほうは今年が20回記念。残念ながら参加できませんでしたが、開催当日10月5日の大阪は台風18号の直撃を受けて、野外の大阪城音楽堂はとんだことになったのではないか。
 大城美佐子、大工哲弘、りんけんバンド、徳原清文、パーシャクラブ、大島保克、下地勇、ネーネーズ、上間綾乃、里朋樹・歩寿、それに特別出演の知名定男、エイサーの京都琉球ゆう遊会が加わるという、東京よりも豪華かつ民謡に振れた顔ぶれなのだけど、どうだったのかなあ。

 ・・・と心配しましたが、大過なく決行されたようです。
 以下、琉球新報の記事を引用させていただいて、締めくくりたいと思います。

☆大阪で琉球フェスティバル 1600人熱狂  琉球新報 10月6日(月)
 沖縄音楽の祭典「琉球フェスティバル2014」(FM OSAKA主催)が5日、大阪市の大阪城音楽堂で開催された。1995年から始まり、20回の節目となったフェスティバルに11組が出演した。時折雨も降る中、約1,600人(主催者発表)が熱狂し、大阪に沖縄の音楽が鳴り響いた。
 京都を中心に活動するエイサー団体「京都琉球ゆう遊会」の勇壮な演舞で幕を開けた。下地勇は新良幸人と共演し力強い歌声を披露。第1回からフェスティバルを支えてきた知名定男、大城美佐子、徳原清文の共演も会場を沸かせた。
 その後もネーネーズやりんけんバンドの歌声や歌三線、太鼓などもフェスティバルを盛り上げた。フィナーレでは「唐船ドーイ」に合わせ、出演者と会場が一体でカチャーシーを踊り、幕を閉じた。

(了)



ara 201409

 これですべての出演者がうたい終えて、時間は19時35分。フィナーレに向けてガレッジの二人が間をつなぎますが、観客が川田に着ているTシャツを投げ入れろと催促し、川田が脱ぎます。
 すると、ゴリも脱いじゃえとゴリ・コールが沸き起こり、「このシャツ好きだったのに」とぼやきながらゴリも脱ぎました。
 上半身裸になったゴリは「ここはトリニダードトバゴなのかっ!!」と叫び、笑いを誘います。

 で、いよいよフィナーレ。
 出演者全員がステージに集い、まずは「とぅばらーま」をみんなでうたいます。
 よなはの奏でる笛に合わせて、まずはレジェンド・大工哲弘が鼻をふくらませてうたえば、返しはうないぐみの面々が担当。
 赤いシャツに着替えた新良幸人が2番目にリードをとり、3人目は大島保克。いずれも八重山をルーツにもつ歌い手がうたったことになりますが、こうしてみると今回の出演者の多くはやなわらばーも加えて八重山なのだということに気づきます。

 「みんなでうたおう!」とよなはが観客を煽って、次は本土にもおなじみの「安里屋ユンタ」。
 やなわらばーの優がはじめにうたい、続いて下地勇がうたいます。
 テンポが少し上がって、次はうないぐみがネーネーズバージョンの歌詞でうたえば、その脇でカラジをほどいた大工苗子が踊り出します。

 そして最後は「唐船ドーイ」。満を持していたよなはがうたい出すと、東京沖縄県人会青年部のエイサー隊もステージに躍り出てきて、観客と渾然一体となっての大乱舞が始まりました。おお、これぞ琉フェス!
 大工もうたい、ひととおり盛り上がったところで幸人がステージ中央に躍り出て、〆の合図をする素振りを見せるもなかなか締めずにおどけてみせます。この役回りは琉フェス全盛期にはゴトウゆうぞうがやっていたのだったなあ。
 さんざん引っぱった挙句に予定どおり幸人が締めて、今年の琉フェス東京は19時56分、終演と相成ったのでした。

 いやあ、よかったなあ、今年の琉フェス東京。楽しめました。
 それからただちに地下鉄丸ノ内線で東京駅に向かい、20時44分の最終の山形新幹線に乗って無事その日のうちに山形に戻ったのでありました。

(画像は、“アラと雪の女王”の幸人。)
unaigumi 201410

 パーシャの興奮が冷めやらない中、沖縄出身のお笑いコンビキャン×キャンのユッキーこと長浜之人が来ていて、彼がマニアックすぎるモノマネを披露。
 そして、ガレッジから今回のトリを務めるうないぐみが紹介され、そのリーダー格の古謝美佐子の長い髪について、孫から砂かけババアと言われたという笑えて悲しい話も合わせて伝えられます。

 さあ、プロデューサー佐原一哉のやさしいシンセサイザーの音に乗って4人が登場です。
 うないぐみは、古謝美佐子、宮里奈美子、比屋根幸乃、島袋恵美子の4名からなる沖縄民謡女性グループ。初代ネーネーズに在籍した古謝、宮里、比屋根に加え、かねてから親交のあった島袋が参加し、今年から活動を始めました。1990年代のネーネーズを知る者にとっては垂涎のグループですね。

 まずは「島々美しゃ」から。
 向かって左から、島袋、幸乃、美佐子、奈美子の順。右肩が紫色、左肩が紅型模様のドゥジンに白のカカン、頭には虹色のスカーフが乗っています。
 旧ネーネーズがうたったときに知名定男がやったように、「サーカイシャヌ」という返しを佐原が入れます。これがまた、懐かしかったり。

 うないぐみとして活動を始めてから日が浅いので、ウェブ上の情報もまだ乏しく、最近の曲はよくわかりません。
 2曲目についてはまさしくそれで、♪ ゆいやさ、ゆいやさ・・・といった、ウチナーグチでつづられたやさしい感じの曲を、4人がユニゾンでうたいます。一部ソロでうたうところがあり、4番まであるその部分を幸乃、恵美子、奈美子、美佐子の順でうたいました。
 幸乃の澄んだ通る声、奈美子のたおやかなうたい方、美佐子のスピリチュアルな独特の節回しなどは、ただただなつかしく、嬉しさが込み上げてきます。

 3曲目は、佐原が「4人で「童神」うたいまーす」と彼女たちの口真似をしてスタート。1番を美佐子がうたえば、会場内の皆さんも静かに合唱。2番は幸乃が。ウチナーグチバージョンの歌詞でしたが、みんなそれでうたっていたようです。

 次は、4人が三線を弾きながら、「みなとーま」を。沖縄本島では「新港節」と言われるときもあります。
 ♪ マタカイシュリヨー スーリ・・・ という合いの手が入る賑やかなもので、明るく。佐原のシンセもいいですねえ。

 最後は、美佐子と佐原一哉が作詞して佐原が作曲した「ウナイ島」を。
 ♪ あの顔この顔と ユイヤサ ユイヤサ 思いだすウチナー ユイヤサ ユイヤサ
   面影を抱いてヨー チュラサ チュラサ 海ん山んヨー チュラサ チュラサ
   いつもこの肝(チム)に ウチナーの島ヨー ・・・
 ああ、深みのある、なんていいうたなのか。しみじみ感がたまらないですな。これを奈美子がうたえば、情け唄の情念がからみつきベストマッチでした。
 で、袖に下がる前に4人が頭の虹色のスカーフを取って、観客に投げ入れました! なんだか琉フェスではアーティストが何かを観客に投げ込むというのが定番になってきた感じですね。