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 さあ、最後はパーシャクラブだ!
 恒例、新良幸人のコスプレは、今年は誰に変身するのか、衆目が集まります。安室奈美恵? 大阪なおみ?
 登場した幸人は、サングラスに白い上下のアップスーツ、背中にカタカナでジャパン。ああ、あれだ、日本ボクシング連盟の山根明終身会長! なにやらしゃべり出した幸人ですが、そのしゃべり方が山根会長そのもののようで、これには大笑い。
 そのまま男臭~く「海の彼方」をうたいます。



 これまでならおふざけはステージの最後まで続くことが多かったのですが、ゴリの言うコンプライアンスとやらのためなのか今回はここまでで、アップスーツを脱いだ幸人はおなじみの赤シャツに黒のパンツ姿に変身。曲は「東バンタ」へ。
 今回の幸人はあまり酒が入っていないようで、ぐっと真面目な感じ。淡々とした歌い方のため、あまり盛り上がっていないようにも見えます。
 ベースは今回も女性。本来メンバーの神村英世は体調不良のため昨年の琉フェスを欠場したのだけど、その後も思わしくないのだろうか。

 次は「五穀豊穣」。いつものラインナップではあるけれども、今回ちょっと違うのは、ここで夏川りみが再度登場して一緒に歌ったこと。すると客席の後ろのほうから前方へと観客がなだれ込んでいき、総立ち状態に。サンデーの「イーヤサーサ!!」の掛け声も軽快。ここが今回の琉フェスのピークだったかな。

 次はバラードの「満天の星」。しっとりとした響きがあっていい感じ。
 いつもなら最後はパーシャクラブの独壇場となり6曲ぐらいはぶちかますので、まさかこれでは終わることはなく、次は何だろうと待っていると、幸人は観客に「愛してるよ~♪」と叫んであっさり終わってしまいました。
 おい、これでは物足りないだろ。飲み方が足りないからこうなっちゃうんだろ、ゼッタイ。
 うーん、今回は全体として低調だぞ、琉フェス。

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daiku tetsu

 5番手は、満を持して大工哲弘+苗子+伊藤幸太。
 大工はピンクの開襟シャツに三線、その奥様苗子サンもピンクのウシンチーで琴を前にしています。三線と横笛と琴。さあ八重山民謡が始まるぞといった雰囲気がいいです。

 1曲目は「月ぬ美しゃ」。日比谷野音の空に月は出ていないけれども、♪ ホーイーチョーガ・・・といい感じ。
 2曲目は、よなはが太鼓でサポートして、これはなんという曲なのだろう、八重山の雑踊りに使われるたとえ唄のようなさっぱりとしたもの。

 ここで大工がMC。「レジェンドが琉フェスに帰ってきました!」って、フツー自分で言うかな。
 安室奈美恵が引退した後は自分が大工哲ヒーローだ!とか、私も沖縄民謡「安室」流の師範です!とか、半分ダジャレのような発言もいつものとおり。
 大工が自分で言っていたけど、40数年前の1974年に日比谷野音で初めて開かれた琉球フェスティバルにも、大工は出場しています。当時のメンバーは大部分が彼岸へと旅立ち、残っているのはこの大工と大城美佐子ぐらいになってしまいました。

daiku naeko

 3曲目は、この時間に名護で行われているとぅばらーま大会に届けと発言して、「とぅばらーま」。
 4曲目は、板橋の沖縄県人会長さんの太鼓で「六調」。
 5曲目は、大工がにぎやかしを演出したいときにうたう「くいちゃ踊り」。苗子が琴から離れてステージ狭しと飛び跳ねるようにして踊ります。四半世紀前と変わらずポニーテールにした黒髪が揺れて愛らしい。
 「これからはサービス残業」ともう1曲、「さよなら港」を。苗子の踊りはますます冴えて、最後は出船を演出し、観客に向けて紙テープを投げまくりました。このノリは2003年ごろに一世を風靡した石垣島白保の「白百合クラブ」のものと類似。八重山にはそういう風土があるのでしょう。

 大いに盛り上がったところで、ガレッジらとともに夏川りみが登場。これはサプライズです。
 楽屋に来たところをゴリらがステージに引っ張り出したようで、夏川はノーメイクで「眉毛を書いていない」とのこと。客席の最後列付近から見ているので、その表情がはっきり見えないのがちょっぴり残念です。
 「来年は夏川りみ20周年でーす!」とアピールするものの、ワンフレーズだけでいいから歌ってほしいというゴリのリクエストに、プロダクション契約が邪魔をしているのか抵抗を示す夏川。しかし、「(その場面を)ムービーとかに上げるのはやめてね」と強く言いながら「涙そうそう」をうたってくれました。

yonaha toru

 ゴリは酔っ払ったか、次の出演者を「大工哲弘~!」と紹介しましたがそうではなく、琉球オールスターズでは地味な役回りを担っていたよなは徹が、ここからはバンドを従えて再登場です。

 従来のステージで見たようなヘヴィな形の導入ではなく、レゲエブルース調の前奏。何をいくのか興味津々で見ていると、1曲目は「チョンチョンキジムナー」でのスタートでした。ははあ、こういう始まり方は珍しいかも。
 相変わらずよなはの三線のキレは秀逸で、これまでの唄者の弾くものとは質が違います。徐々にスピードを速めていき、観客を煽ります。

 その後はいつものペースに戻り、2曲目は「花の風車(カジマヤー)」。途中に「シュンサーミー」を挟んで。
 3曲目は「屋慶名クヮーデーサ」。三線早弾きのモーアシビ曲で、今これを早くしかも正確に弾ける人はそう多くないのではないか。
 そしてそのまま「唐船ドーイ」へと曲は移り、観客はここにきて大盛り上がりとなります。暗くなってきた時間帯で、ステージ側から観客席に向けた逆光線照明が聴く者のリビドーを刺激します。やはり「唐船ドーイ」は盛り上がるなあ。

 さんざ盛り上げた後は暗転してやさしいピアノの旋律。最後はスローバラード調の「満月の夕」。よなはのステージは最後が総立ちというのが多いだけに、今回は新たな構成。これ、よかったんじゃないかな。

 恒例の三線投げ入れは、今回はなし。それでもよなはは投げ入れ用の三線をケースに入れて準備してきていたようで、今回は司会アシスタントの久保田直子アナ(テレ朝)にプレゼントするということで収まりました。

oshiro misako  tokuhara seibun

 3番手は琉球オールスターズ。この琉フェスのために手を組んだ唄者たちで、ひとつのユニットというにはビッグネームばかり。なので、その個性をひとつに統合、昇華することは難しいでしょう。
 だってそのメンバーは大城美佐子に徳原清文、元ちゃんこと前川守賢ですから。それらのシージャ方を恐る恐る太鼓でまとめるのがよなは徹。加えて琉舞が真境名由佳子というのですから。

 ステージ中央に徳原と前川が並んで椅子に腰かけ、それをよなはが太鼓でサポートして、1曲目は「加那ヨー」。
 曲調はゆったりめで沖縄民謡特有のグルービーさが滲み出ています。舞踊曲なので、こうなると上手から赤いティサージを肩にかけた真境名が登場して華やかに踊ります。
 徳原の歌い方が渋い。民謡をうたいこなすだけではなく、日頃から舞踊や組踊の舞台でも地方として唄三線をやっているので、むしろ踊りが入ると生き生きとうたえているような印象です。あと10年もしないうちにこの人は唄三線の人間国宝になるかもしれないと思いますが、どうでしょう。

maekawa shuken  majikina yukako

 2曲目は、前川がリードをとって「ヒヤミカチ節」。
 ♪ 我んや虎でむぬ 羽付きてぃたぼれ 波路パシヒック 渡てぃねゃびら・・・
と威勢よく。琉フェスでこの歌を聴くと誠グヮー(登川誠仁)が思い出されます。
 3曲目は、徳原が「浦波節」を。おおっ、いよいよ十八番を繰り出してきたぞという感じ。この唄独特の音階をもつ長めのウタムチがマニアを泣かせます。

 そしてここから大城美佐子が登場。彼女が好んで着る紫色のウシンチー姿です。女性らしくきちんと足をそろえて椅子に座り演奏態勢に入りますが、大城を紹介したよなはも彼女が何をうたい出すか知らない様子で、太鼓を叩いていいものかどうか迷っています。
 でもって選んだのが「白雲節」。うひゃあ、最高の選曲ではないですか! しっかりと7~8番ぐらいまでうたってくれました。
 夕闇に響き渡る白雲節。東京の空に沖縄の島々が見えるようです。大城の隣りに嘉手苅林昌が立っているのではないかと思わせるようなすごさがありました。イーチュグイ(絹糸声)といわれる声は健在。しかし大城美佐子も82歳。声量は多少落ちているのは致し方ないところでしょう。

 ゴリによれば大城は今でも毎日飲むそうで、ステージに立つのは緊張しないとのこと。そして「美佐子」と名の付く沖縄女性はクセの強い人が多いと笑いをとります。古謝美佐子のことを言っているのは琉フェス参加者なら周知のこと?

sato anna

 2組目は、里アンナ。
 小さいころから奄美シマウタ界では有名人でしたが、今時NHKの大河ドラマ「西郷どん」の主題歌を歌ったことで注目され、今年大ブレークしました。
 2016年から佐々木俊之というドラマーと組んで、シマウタにキレのよいアレンジを加えて活動をしているとのこと。奄美シマウタのリズムは一般的にはチヂン(太鼓)が刻むものですが、そうではなくドラムでというのは異色です。

 運動神経はあまりよくないという話から発展して、ゴリからスキップを披露するよう仕組まれて、琉フェス初出場なのにいきなり笑い方面へと持っていかれる里アンナ。
 しかし自分の持ち時間が始まるや、無伴奏でシマウタらしい節回しを高々とした声で朗々と。その声量には度肝を抜かれます。

 1曲目は「山原(やんばる)」という曲。♪ アレよいよい、コレよいよい・・・。
 2曲目に、今や伝説となっている盲目のウタシャ里国隆がやっていたようにハンディな鉄琴を持ち出し、それを弾きながらうたうのは「糸繰り節」。すごい声だなあ。歌の技術もすごいけれども、この人は声そのもので勝負できる人だな。
 3曲目は、アカペラでやってみたいと発言して、今がいちばんの歌い時であろう「西郷どん」のテーマを。
 4曲目は、やっと三線を持って、♪ エー、ヨハレェー・・・と「豊年節」。ドラムのリズムに合わせたロック調の「豊年節」は新鮮です。

 さらに「行きゅんにゃ加那節」、「ワイド節」。
 初めて聴いた里アンナでしたが、実力は十分で、自分の中では中村瑞希と肩を並べるか、クセがないだけ里のほうが上かもといった位置づけとなりました。
 幼少期には元ちとせと覇を競った間柄ということで、世間的にも再評価され始めているようです。
 これは2017年発売のCD「ANNA SATO X TOSHIYUKI SASAKI」を聴かなければなりません。



 トップバッターは宮沢和史。ゴリによれば、宮沢はヘルニアのため2年以上ステージに立つことができず、これが復帰ステージとなるとのこと。
 6人編成のバックバンドを従えて、1曲目は「シンカヌチャー」という曲。
 ♪ 二才達 二才達 あの海を越えていけ・・・
 口説調、つまり七五調の小気味のいいもの。これはかつて日出克がやっていた演奏スタイルとよく似ていると思う。

 2曲目は、「ハリクヤマク」をロック調に編曲したもの。この曲はこう編曲するとこうなるのか。カッコイイじゃん。メンバー中の唯一の女性がボーカルをとります。
 3曲目は、成底ゆう子などもうたっている「ダイナミック琉球」。今年の夏の高校野球の応援でもよく耳にした曲です。
 これもその女性がリードボーカルで、これまた口説調。声がいいなあ、宮沢のステージをすっかり持って行った印象。この女性、誰なんだ?!

 4曲目も同様の曲調。宮沢の粘っこい歌い方はあまり好きになれないのだけど、この日の彼にはそういうところは感じられず、伸び伸びとうたっている印象でした。
 彼は沖縄県立芸術大学で非常勤講師をしているそうです。沖縄音楽を深く学ぶと日出克同様にヤマトめいたこういうところに目が行くものなのかもしれません。

 で、最後はあの名曲「島唄」。一時代を風靡したものなので、宮沢が観客にマイクを向けるとかなりはっきりした音で歌詞が聴き取れるような大合唱に。スバラシイ!
 そのあとゴリが言っていたけど、「島唄」が流行ったのは何年前? 誰もがこの曲に思い出らしきものを持っているよね、との話。調べてみると、シングル発売が1993年なので、世に出てからもう25年にもなるのですね。

 また、謎の女性唄者はゴリから大城クラウディアだと紹介され、ナルホドと唸ったところ。成長したなあ。彼女はたしか我如古より子のもとで民謡修行をしていて、かつて琉フェスにもソロで出たことがあったはずです。